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自動車産業は世界の経済を支えている!「人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMA」は大盛況でした

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了

メカ好きを楽しませてくれる3日間

クルマの技術者が集う自動車技術会が毎年のように開催し、工学関係の学生からメカニズム好きまで、多くのファンが楽しみにしていた「人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMA」が、2023年もパシフィコ横浜で開幕。新型コロナウイルス感染の余波で静かに開催された2022年までの2年間とは異なり、多くの入場者で賑わいを見せていました。

時代を反映して「環境」と「エネルギー」に注力されたテクノロジー展

取材を始めて15年くらいになりますが、じつは「人とくるまのテクノロジー展」の第1回は1992年に開催されているそうです。当初からクルマに関連した技術展示が多かったのはもちろんですが、取材してきたここ15年くらいの間にも、「環境」や「エネルギー」に対する技術展示が増えてきたように思われます。

これは時代の流れ、というかクルマに対する世間の要求が、この2つの流れに沿って増えてきたからに違いありません。誰が言い始めたかは分かりませんが、軽量コンパクトは永遠の正義、とはけだし名言です。その軽量を実現させるための新素材も、ここ数年はバイオ由来の新素材が注目を浴びるようになってきたり、またカーボンと組み合わせてその特性をコントロールしたり、とテクノロジー展の会場には、さまざまなアイデアがあふれていたように思われてなりません。

もうひとつ注目したいのは共同出展です。会場の一角では岡山県や静岡県、あるいはイギリスやベルギーなどが県単位や国単位で出展しているのですが、小さな企業が集合体として活動していけば、やがて大きな力を生むことは間違いありません。そんな共同出展で企業が力をつけ、結果的には自動車産業を発展させていくことになるのでしょう。あらためて自動車産業が日本の、いや世界中の経済を力強く支えてきたことが思い起こされました。

ガラスファイバーや、カーボンファイバーなどの新素材を使った水素用のタンク

クルマ好きでメカ好きなら、クルマはなくとも楽しめるテクノロジー展

テクノロジー展の会場には、モーターショーのように数多くの新車が並んでいるわけでもなければ、華やかなスーパースポーツカーや珍しいヒストリックカーが集まっているわけでもありません。その代わり、エンジンやトランスミッション、サスペンションやブレーキといったクルマのコンポーネントはあふれるほど展示されていて、さらにそれらを完成させるのに必要なボルト&ナットや工具などが数多く展示されています。

またカーボンをはじめとする新素材も数多く展示され、工学関係の学生らしき若者がベテランの技術者と思しき説明員から解説を聞いていたり、反対にベテランの技術者が若い説明員に熱心に質問したりしていました。

共通しているのは聞く方も説明する方も楽しそうに見えること。楽しそうといえば、会場を見て回る入場者、いや彼らは出展企業の社員かもしれませんが、いずれも笑顔で各ブースを回っていました。彼ら彼女らの笑顔を見ていると、クルマがファンを楽しませてくれる日々はまだまだ続いていくだろうと実感できた「人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMA」でした。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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