ペルフォルマンテとSの最大の違いはアシの差
今年はランボルギーニの創立60周年という節目の年で、世界中でさまざまなイベントが企画されているが、その第1弾というべき祝祭がまずは日本で開催された。鈴鹿に集まって京都と奈良をドライブツアーで巡る「GIROジャパン」だ。そこで新型ウルスSと同ペルフォルマンテを同時に試すことができたので、まずはその違いを中心にリポートしよう。
ペルフォルマンテとS、最大の違いはやはりアシの差に起因するものだった。結論から言うと、Sは従来モデルとさほど変わらないと思っていい。モード次第では扱いやすいラグジュアリーGTとなって、街中から長距離ドライブまでオールマイティにこなす。
対するペルフォルマンテの乗り味は(当然ながら)Sよりスポーティでスパルタンだ。前アシはかなりニンブル、よく動く(感覚がある)。フロントセクションをSよりひと回り小さく感じるほど。とくに一般道でのラリーモードが面白い。コルサやスポルトに比べて乗り心地がよく、それでいて足さばきは機敏だ。砂利道を気にせず走ってみたいもの。
両グレードとも、正直にいって、加速パフォーマンスそのものは前期モデルとさほど違わない。最大トルクは以前と同じ850Nmで、最高出力が上がったと言っても650psからわずかに16psアップしただけ。車重2tを超えるスーパーSUVにとってそれは誤差だ。
よく売れた人気モデルだけあって全体としての完成度は2017年当時よりかなり上がっている。とくに街乗りでのライドクオリティは確実に向上していると思う。車体全体の動きもまた随分となめらかになっていた。
毎日乗れるランボルギーニ。それがウルスの魅力だ。そう考えると、前輪が忙しく動くペルフォルマンテよりSの方が当然ながら乗りやすく実用性は高い。とくに良かったのが高速クルージング。無敵のグラントゥーリズモだ。姉妹車の「カイエンターボGT」や「ベンテイガV8」がそうであったように、ウルスSもまたドライバーをしっかりと包み込み、道路と車体が粘度のある液体で一体となったかのような安定感ある高速走行をみせる。
踏めばその加速は相変わらずスーパーカー級の爆速。恐怖感を覚えるほど、とてもスリリング。とはいえそんなことは一度か二度試せば十分というもので、普段は快適安楽なGTとして使った方がいろんな意味(免許証の行方など)でいいだろう。そういう意味でもウルスSの方がオススメ、だけど、ランボマニアはきっと「上」を目指さなければ気が済まないことだろう!