仕事は自動車整備士、父も整備工場を営むヒストリックカー一族
質実だが地味といったそれまでの三菱車のイメージを一新したコルトギャラン(=初代ギャラン)は1969年のデビュー。エンジンは1.3Lと1.5Lの2種が用意され、前者はAI、後者がAIIと呼ばれるが、飯吉さんのクルマはAIIの2ドア・ハードトップ。SUのツインキャブを備えた4速マニュアルの高性能グレードGSだ。軽量・パワフルなAII GSは当時のラリー競技でも活躍。いわばラリーの三菱のルーツにしてランエボのご先祖さま。
そんなクルマに乗るうえでなにか苦労とかはありますか、と聞くと
「いや、おかげさまでとくに問題なく乗ってます」
とのこと。ご本人にしてみれば、なんでそれを珍しがるの? といった感じでサラリと質問に答えてくれる。
「私、自動車整備士なんです。もしパーツなんかで困ったことがあっても、まわりに詳しい知り合いがいますし」
と言うので、会場で彼女のギャランAIIの隣に並んでいるGTO MRもお知り合いかと尋ねれば
「あれは整備工場をやっている父の愛車です」
そして飯吉さんのギャランAIIのリアウインドウにはさりげなく、かの「CLUB ROOTS OF GALANT」のステッカーが貼られているのを発見。おみそれいたしました。
というわけで、彼女は生粋の「ヒストリックカー一族のサラブレッド」。大上段に構えることなく、気づけばごく自然体で旧いギャランAIIと過ごしていたのも、むべなるかな、であった。