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東京農工大チームが開発したシミュレータを「学生フォーミュラ」が導入! 「人とくるまのテクノロジー展2023」の展示で期待が高まります

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明

「学生フォーミュラの活動をサポートするツール」としての存在

当初は学生フォーミュラ認知のための展示会用といったイメージだったが、ドライバーの習熟はもちろん、モデリング情報で自チームのマシンのデータを入れ込むことが可能。さらにパラメータをいじることでセットアップも変更していくことができるため、モデルベース開発にも使える。現在は「学生フォーミュラの活動をサポートするツール」としての存在だ。

シミュレーター上で性能評価を行うことで、実車の実物での制作の回数を抑え、開発スピードを向上させること、ひいては日本の学生フォーミュラ全体の技術レベルの向上にもつながる。また、海外からの参加チームにとっても、シミュレーターの存在は心強いと言える。自技会ではMODを使うためのセミナー開催も行っており、誰もが使えるシミュレーターを目指している。

シミュレーターで運転ができる車両ではICV(内燃機関車両)クラスに2020年に参戦予定であった東京農工大学のNK16と、その諸元を元にEV車両としてアレンジしたNK16Eの2台に、展示会などのデモンストレーション用の子ども向けにアレンジしたNK16Cの3機種をラインナップ。現在バージョン2となっているが、当初は1種目(エンデュランス)しか設定のなかった動的審査の項目に2種目(アクセラレーションとスキッドパッド)が追加されている。

シュミレーター

アクセラレーション(加速性能審査)など、必要性はないのではないか? と考えてしまうのだが、じつは、本大会の際のアクセラレーション審査の会場への動線の確認にも使えるのだ。コロナ禍で本大会に出場の機会がなかった学生にとっては、先輩の後について現場を見て回ることもなかったことで、実際のコースでの走行以外の部分でも未知の領域が多かったことなのだろう。実際に2023年の参戦チームの中には、ミスコースなども多かった。

遠方から本大会へやって来てまさにぶっつけ本番で臨んでいたチームも、シミュレーターを活用することで、事前の準備をきっちり整え、本大会に臨むことができるはずだ。2022年、3年ぶりの本大会開催では、各チームのレベルダウンが囁かれたが、2023年は再び以前のようなレベルの高い大会になることを期待したい。

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