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懐かしのダットサン「フェアレディ1600」で楽しむ富山ライフ! 首都圏からIターンしてどっぷり浸かったクルマ趣味とは

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循

ステアリングがさりげなくシルビア用なのも粋

英国のライトウェイト・スポーツカーなどと同様、その生産台数の多くが対米輸出に割り当てられたSP/SRは、1967年の冬には北米の安全基準に準じた改良が行われるが、“sp三太郎”さんのSP311はそれ以前の1966年式。後期モデルに比べ高さの低いフロントウインドウやタンブラー・スイッチが多用されたクラシカルなインパネまわりの雰囲気が好ましい。

「手に入れたときからほぼオリジナルでしたが、ステアリングホイールだけはシルビアのウッドがついていたんですよね」

ちなみにこの「シルビア」とはもちろんSP311とシャシーやパワートレインを共有する初代(CSP311)のこと。スパルタンなオープン2シーターに、姉妹車である流麗なクーペのパーツをあしらうとはなかなかおしゃれなセンス、これは前オーナーの好みであろうか。

首都圏から富山にIターンして趣味生活を満喫

「もともと東京の出身でその後は神奈川に住んでいたのですが、趣味の釣り好きが嵩じて魚の美味しい富山に移住したんですよね。また、昔から現在に至るまで1/43スケールをメインにミニカー・コレクションも楽しんでいて、その流れで実車のヒストリックカーの世界にやってきたかんじです」

と、実車以外のジャンルでもディープな趣味人とお見受けした。

「こちらに移住してからは趣味の実車も増えて、このSP311以外にも初代シティのカブリオレとかバモス・ホンダ、1958年式のジープ、友人知人の預かり物のクルマなど、全部で6台くらいいます(笑)」

と語る“sp三太郎”さん。それは都会から地方都市へIターンしたクルマ趣味人の、ひとつの幸せな事例だ。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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