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排気系チューンは「マフラー交換」だけじゃない!「エキマニ」「スポーツ触媒」を交換する意味とは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: AMW編集部

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排気系チューニングは意外と奥が深い

パワーやトルクの変化は当然として、見た目や軽量化にも繋がるマフラー交換。チューニングの第一歩としてもお馴染みのメニューで、クルマ好きなら一度は経験したことがあるに違いない。ただしここでいう「マフラー交換」は、あくまでもテール部分に限っての話。エキゾーストマニホールドやフロントパイプなど、排気系のチューニングにはもっと先があるのだ。次なる一手はどこから進めるべきなのか、エンジンがノーマルでも効果はあるのか、費用対効果が高いパーツはいったい何か、ステップアップを狙う人に向け解説したい。

排ガスをマフラーに送り込む「エキゾーストマニホールド」

まずは名前を聞く頻度が高いエキゾーストマニホールド、通称エキマニ。エンジンからの排ガスが最初に通過する部分で、エアクリーナー・エキマニ・マフラーの3つは、ライトチューンにおける三種の神器といっていい。

エキマニ

各パイプの長さや太さによる違いはもちろん、社外品の大半はステンレス製のため軽く、エンジンルームのドレスアップにも貢献する。また各気筒からのパイプがどう集合するかによって特性が異なるのも、エキマニ交換のメリットといっていい。

例えば4気筒なら4本のパイプが一度に集合する「4-1タイプ」は、高回転での抜けを重視した作り。途中で2本に集合してから1本にまとまる「4-2-1タイプ」は、中低速のトルクが太いといわれる。どちらを選ぶかは走るコースのレイアウトや他のパーツ次第だが、パワーおよびトルクの特性に大きく影響するパーツと考えていい。

環境と出力向上を両立する魔法のアイテム「スポーツ触媒」

次はすっかりメジャーになったスポーツ触媒。昔はサーキット専用なら車検に通らないことを承知で触媒の中身を抜いたり、ストレートパイプに置き換えることも少なくなかった。だが、近年は抜けのよさと浄化性能を両立したスポーツ触媒が各社から発売され、エキマニと同等かそれ以上に排気系チューンの定番となっている。

純正の触媒はパワーより排ガスの浄化を最優先しており、チューニングカーでは仕様と使い方によってはエンジンブローしてしまう可能性もあった。ところがスポーツ触媒はセルの目を粗くして排気の抜けをよくしつつ、セルの材質を変えたり独自のコーティングを施すなどして、最新の排ガス規制に対応できる浄化性能を両立しているのだ。

ターボの効率を高める「アウトレットパイプ」や「フロントパイプ」

ターボ車ならアウトレットパイプやフロントパイプやも大切。タービンを通過した排ガスを触媒へと導く部品で、ここが細すぎたり大きな抵抗を生むような形状だと、加速やレスポンスが悪化し本来の性能を発揮できない。

* * *

いずれもエンジンがノーマルだからといって効果がないはずはなく、純正タービンのポテンシャルを引き出すには有効なパーツばかり。ただし抜けすぎは低中速のトルクを損なうデメリットがあり、何もかも太くすればいいってわけではないので注意しよう。そして触媒から後ろのマフラー程度では必要ないが、エキマニやスポーツ触媒までごっそり交換するなら、ECUのデータは書き換えたほうがいいと思われる。せっかく投入した各パーツの能力を引き出すには必須であり、万が一にも不調なんて招いたら本末転倒もいいところ。

エキゾーストマニホールドにスポーツ触媒、そしてフロントパイプやアウトレットパイプ。排気系を+αの領域までカスタムするなら、ECUチューンとセットで考えるのがセオリーだ。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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