スポーツランドSUGOでの戦いは雨!
新規格NAの軽自動車によるワンメイクレースとして、2011年7月からスタートした東北660選手権。13年目を迎えた2023年シーズンは規則に大きな変更もなく、5月7日に宮城県スポーツランドSUGOで行われた開幕戦では、過去最多となる83台ものマシンがエントリーした。天候はあいにくの雨で路面も朝の練習走行から完全なウエット、参加者にとってはフラストレーションの溜まる状況だったかもしれない。
1クラスは2位に15秒差という圧倒的速さを見せつけた細田が優勝
さて、各クラスの展開を追っていこう。公式レース経験者も多い1クラスは昨年の覇者#11アベが盤石かと思われたが、なんと予選4番手に沈みトップは1クラスで2年目となる#256細田駿也。おまけに予選2位の#70村松正剛とは約2.4秒の大差で、決勝でもトップを独走しポール・トゥ・ウィンを決めた。
2位でフィニッシュした#21大塚 猛に対するアドバンテージは15秒、改造範囲が広い1クラスでもココまで差が開くのは珍しい。今回が20代で最後のレースになると話していた細田は、シリーズ制覇へ向け大きな一歩を踏み出したといえる。
2クラスはマシンチェンジで苦しんだ巳ノ瀬健太が初優勝
2クラスは#121巳ノ瀬健太が悲願の初優勝。3クラスでは十分すぎる実績を誇った歴戦のドライバーだが、マシンをスズキ「アルト」(HA23)からダイハツ「ミラ」(L275)に変更後はイマイチ伸び悩み、昨シーズンは悔しい予選落ちも経験するほどだった。
ところが今回は覚醒したかのような走りで予選はポールポジション、決勝も2位に約7.5秒差と2022年は後塵を拝したライバルたちを突き放す。しかし2位の#154小松日高や#61高橋康平、3クラスから上がってきた#919茂木勇輝など、誰が勝っても不思議ではない激戦区だ。今年イチバン展開が読めないのが2クラスかもしれない。
3クラスは全員が初表彰台を獲得
そして3クラス。2022年のチャンプ#200石川颯人らが2クラスへステップアップしており、今シーズンはまた新しいヒーローが誕生することを予感させる。予選でポールポジションを獲得したのは唯一のミラ(L250V)を駆る#202金野 智で、それ以降は#108西沢拓真に#398中野渓一郎らが続く。
約1.8秒のタイム差から決勝も金野が有利と思われたが、フタを開ければ西沢が逆転し金野2位でチェッカー。いっぽう中野は2周目にアクシデントでリタイヤし、代わって表彰台の一角を占めたのは#377岩塚眞澄だ。1~3位の全ドライバーが初めての表彰台という、3クラスに相応しいフレッシュなレースだった。