希少車というハードルは極めて高い
そういった逆境の中でのレストア作業となった。まず取りかからねばならないのが、下まわりの錆。とくに触媒から後ろのセンターマフラーの錆がヒドく、フランジ側はボルトまで真っ赤っ赤、タイコ側には亀裂もあり、このあたりは補修および加工作業を依頼した。
またブレーキも、リアは固着がひどくピストンの再利用は難しそうだ。それでも数少ない在庫純正パーツを全国くまなく探してもらい、さらに補修できるところはしっかり補修し、とりあえず純正パーツおよびその補修で車両を走らせられる状態にまで復活となった。パーツをかき集める担当者は苦心。人の手による作業が非常に多いため、少し時間はかかったものの、2カ月弱の期間でナンバーの取得ができた。
そしてようやくわが手元にやってきたギャランAMG。実際に身近に置いてみると、ある違和感に気が付く。
三菱ロゴがない外観はまるでスズキ ラパンのよう……
日々付き合っていく中で、この車両の「三菱感」が極めて薄いことに気が付くのである。三菱グループの証であるスリーダイヤマークは外観に2カ所のみ。もっと言ってしまうと「MITSUBISHI」の表記は外観にはひとつもないのである(社名であるMitsubishi Motors Corporationの略字として当時使用されていたMMCのロゴマークがひとつあるのみ)。
それに気づいた著者はふと、「SUZUKI」のロゴマークの入っていないスズキ「ラパン」にも通ずるのでは……と思った。ラパンでいうところのウサギに代わり、ギャランに入れられているのが「AMG」のロゴだ。
前後バンパー、左右フロントフェンダー、ホイールセンターと、どの方向から見ても「AMG」のロゴが必ずある。車内に入ってもどこかしらに必ずロゴが目に入る。ステアリングホイール、各ヘッドレスト、アームレストと、これでもかといった具合にAMG社のエンブレムが入っている。その数はなんと15個。ちなみに車名の「GALANT」のロゴは、ギャラン全車で使用される共通パーツとなるクオーターガラス、内側ではフロアマット、リアトランクフードにある。
そんな発見もしつつ、ギャランAMGライフはスタートした。ということで次回はさっそくやってきた難題「貴重な豪華装備が!」にて、乗り続けることの難しさをレポートしたい。
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