エンジンを守ってくれる重要なパーツ
オイル交換のときに同時に行うのがオイルフィルターの交換。エンジン内部で発生するスラッジや、摩耗して出てくる鉄粉など、オイルに含んでしまった異物をキャッチするのが目的だ。もしフィルターがないと、それらの異物はそのままエンジン内部を循環し続け、目詰まりを起こしたり、内部をキズ付けたりするので、フィルターの役割は重要である。
最近の新車はオイル交換のサイクルが伸びている
交換サイクルはオイル交換2回に1回というのが基本とされ、励行されている方も多いのではないだろうか。しかし、この推奨交換時期にも変化があって、最近の車種ではオイル交換ごとにフィルターも交換するという指示に変わってきている。
理由としては、オイル交換の期間自体が長くなっていて、最近では国産車でも1万5000km毎だったりと、以前に比べるとかなりロングライフ化。そうなると、オイル交換2回でフィルターを1回交換、つまり3万km毎では使用期間が長くなりすぎてしまう。ならばオイル交換と一緒に交換というのが自然であろう。そもそも、以前は5000km毎にオイル交換をしていたので、フィルター交換は1万km毎。結局は今も昔もオイルフィルター自体は1万km程度使用することに変わりがないとも言える。
もともとフィルター交換がオイル交換2回に1回でOKという理由としては、定期的にオイルを交換していればフィルターに大量に溜まるほどのスラッジは出ないため。フィルター自体も超強力なろ過性能があるわけではないので、すぐに目詰まりすることはない。つまり、性能を使い切る前に交換するのは、まだ使えるのに無駄になってしまうから、という考えだ。そう考えると、1万km毎にフィルター交換をすれば十分という判断なのだろう。現在では素材や組付け精度も向上し、現行車はエンジン制御も高度化。オイルの品質もよくなっていて汚れにくくなっていることもあり、なおさらだ。
結論としては、常識としてオイル交換とフィルター交換は必ず一緒に行えばいいだけ。1990年代以前のクルマは現在のクルマよりもこまめなオイル交換が必須だが、経年車はオイル交換は重要なメンテナンスポイントと言っていい。フィルターは安いものだけに、エンジン内部のことを考えると愛車を大事にしているのなら年式の古いクルマであっても毎回交換するといいだろう。
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ちなみに大量にスラッジなどが出てフィルターに大量に入りこむと目詰りしてしまうが、仮にそうなった場合、リリーフバルブが開いてオイルの流れはバイパスされて維持されるので、すぐにトラブルになるわけではない。もちろんこまめにフィルター交換していればそのようなことは起こらないので、きちんと定期交換しよう。