オーテックジャパンが手がけたS13シルビアのコンバーチブル
2023年は28回もの旧車イベントを主催(協力)する日本旧軽車会。その4回目となる「昭和平成オールドカー展示会」が、4月23日に埼玉県上尾市のアリオ上尾で開催された。数百台の旧車が集合した会場から、かつてオーテックジャパンが製作した日産S13型「シルビア コンバーチブル」の女性オーナーを紹介しよう。
たまたま見つけたS13のオープンモデル
「シルビアのオープンにふたりで乗りたかったんですけど、S13は走ってるのも見たことないからS15の“ヴァリエッタ”でもいいかな、って探してたんです。それである日、たまたまいつも通らない道を走っていたら、S13のオープンがあって。その日はお店が休みだったんで、次の日にパートナーとふたりで行って速攻契約しました」
そんな経緯で1990年式のS13シルビア コンバーチブルを手に入れた、“みきにゃん”さんとパートナー。購入時の状態は、ボディのリペイントと後期型のホイールを履いていた以外はノーマルで、程度も良かったという。ついに念願のS13のオープンを手に入れたおふたりだったが、たったひとつだけ問題があった。それは、トランスミッションがATだったこと。
トランスミッションはATからMTに載せ替え
「オープンにしてカー用品の量販店に行くじゃないですか、そうすると珍しいから人が見に来るんですね。それを店内の上の方から見てると、手がATのシフトの動作をやってるわけですよ。待ってろよ、もうすぐMTにするから、みたいな」
ということで、ネットオークションでトランスミッション本体とペダル類、あえての純正コンピュータを購入してMT化(軽量フライホイールも装着)。さらに足まわりはビルシュタインの車高調をセットすることに。ビルシュタインにしたのは「ショックどこのですかって聞かれて、ビルシュタインって、言いたかっただけなんですけど」とのこと。
「MTに換えたら、楽しいですね。自分で操作している感がってみんな言うけど、やっぱりそんな感じ。ATは運転しててラクで、遠くに行くならATの方が良いかもしれないけれど、やっぱりそこは自分でシルビアを操作しながらドライブしたい。運転が好きなんです。まだ不慣れなところがあるけど」
シフトノブは当時仕様(?)の水中花
オープンは外から丸見えだから、中もキレイに保っていきたいという“みきにゃん”さん。その外から丸見えのインパネまわりを覗いてみると、シフトノブがちょっと懐かしい「水中花」仕様に交換されているのが目についた。
「私がつけたい、って言いました。やっぱりそこは、旧車感を出したいんで。スポーツタイプのもいいんですけど、なんかこういうのが好きなんですよ。あえて当時のデッドストックのを探して買ったんですけど、届いたら透明なパッケージが、真っ黄色に黄ばんでました」
ところで、そもそもなぜシルビアだったのだろうか?
「イベントに行くとカッコいい女の子たちが、スカイラインとか乗ってるわけじゃないですか。憧れがあったんですよ。丸い形のクルマよりも、こうシュッとした直線的なクルマが好きで、ターボに乗りたいんです。それで型にハマったのが、シルビアなんです。あとは、パートナーとふたりなら維持していけるかな、ってことで。共有しているんでホイールを変えようとしても話し合いですよ。ワークっていうのは決まってるんですけど、デザインはあれがいい、これがいいとか。でも当分はノーマルで維持していくと思います」