1979年式トヨタ・カローラバン1400DX
トヨタが世界に誇るロングセラー車のひとつである「カローラ」は、初代が1966年にデビュー。シリーズ通算12代目となる現行型では「カローラ スポーツ」や「GRカローラ」といったスポーティモデルがラインナップされているため、熱心な自動車趣味人や若者も積極的にチョイスするクルマへとキャラ変したが、それまでは「地味で平凡で退屈な大衆車」というイメージも強かった。
国産バンを何台も乗り継いできた筋金入り
2023年5月28日(日)に群馬県の道の駅 まえばし赤城を会場として開催された「前橋クラシックカーフェスティバル」(主催:伊香保おもちゃと人形自動車博物館)にて遭遇した1979年式の「カローラバン1400DX」は、いい意味であらゆる部分が平々凡々であるカローラのイメージを確固たるものにするためにリリースされたシリーズ通算3代目のモデルだ。旧き佳き時代に生産されたトヨタの力作で、各部の質感が2代目よりもアップ。快適性も向上していた。
オーナーの“とよ”さんは購入してからもうすぐ13年になるとのことで、1997年式のカローラバンDX(100系/7代目)も愛用とのこと。以前は70系のカローラバン(4代目)、「マークIIバン」、「カルディナ」、「カペラカーゴ」に乗っていたらしく、AE92型「カローラ レビン」を所有していたこともあるそうだが、生粋のバン好きなのであった。
「また70系のカローラバンに乗りたくなって探していたときに、この30系のカローラバン1400DXと出会ったんですよ。このクルマも欲しかったので、買ってしまいました。本当は4ドアバンではなく2ドアバンのほうがよかったのですが、もはや出てきませんからね」
昭和の名作映画『トラック野郎』がドレスアップの理想
“とよ”さんによると、こだわりのポイントは時代考証とのことで、どっち方面のいつの時代を題材にしているのかを伺ってみたら映画『トラック野郎』の一番星号を目指しているとのことだった。
「アートトラックの親睦クラブである全国哥麿会の会長さんのご尽力で、一番星の横にカローラバン1400DXを置いて写真を撮ることができたんですよ。本当はデコトラが欲しいのですが、さすがにそれはキビシイので、カローラバン1400DXをそういう仕立てにしています。『トラック野郎』がドレスアップする際のスタート地点、原点であり、ゴールでもあるということです。これからクルマのコンディションを完調のまま維持しながら、もっとアクセサリーを装着したいですね」
あなたにとってクルマとは何ですか? という質問に対して「喜び」と回答してくれた“とよ”さんは、これからも菅原文太さんの気分で昭和を追いかけながらカローラバン1400DXを走らせていくはずだ。