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日産「新型セレナe-POWER」は愛犬にとっても嬉しい進化! 唯一、ホンダに負けている点とは?

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TEXT: 青山尚暉(AOYAMA Naoki)  PHOTO: 木村博道

  • セレナe-POWERの走り

  • セレナのリア
  • デュアルバックドア
  • セレナe-POWERの走り

愛犬にとって新型セレナe-POWERは快適か検証してみた

ファミリー層に人気のミニバンである日産「セレナ」は、2022年11月にフルモデルチェンジを発表。そしてエンジンで発電しモーターで駆動する「e-POWER」搭載車が、ガソリン車に遅れて2023年4月に発売された。受注の半数がe-POWERだという注目モデルは、愛犬などペットとの相性はどうなのか? モータージャーナリストであり愛犬家の青山尚暉氏が試乗した。

自動車評論「犬」も注目の1台

扱いやすいボディサイズにして広々とした室内空間を備え、両側スライドドアからの乗降性にも優れたMクラスボックス型ミニバンの最新作である日産新型「セレナ」。じつはアウトドアや車中泊はもちろん、愛犬と快適にドライブに出かけられる「ドッグフレンドリーカー」としてもお薦めの1台である。

筆者はモータージャーナリストとしてだけでなく、ドッグライフプロデューサーとしても活動。わが家の歴代「自称自動車評論犬」とともに新型車でドライブする仕事もこなしてきているのだが、先代セレナのドッグフレンドリーポイントに、飼い主のボクも愛犬たちも、「ある1点」を除けば大満足していたのである。

そんな先代セレナの延長線上にある6代目新型セレナだから、ドッグフレンドリーカーとしての期待も高まる。そして実車に触れれば、その期待値を大きく上まわるドッグフレンドリーカーとなっていたわけだ。

セレナのリア

多彩なシートアレンジや座面の広さは愛犬にとって嬉しいポイント

新型セレナのドッグフレンドリーポイントは、まず愛犬の特等席である2列目席にある。例えば同クラスの4代目トヨタ「ノア」&「ヴォクシー」の場合、2列目席は購入時にキャプテンシートかベンチシートを選ばなくてはならない。

もし、飼い主側の居住性やかけ心地を重視して、中寄せスライド廃止でベンチシート化ができなくなったキャプテンシートを選んだとすると、小型犬は無理なくキャプテンシートに乗車できるだろうが、中大型犬には座面が狭すぎて不向き。今は小型犬と暮らしていても、いつか大型犬と暮らす日がこないとも限らない。また、犬にとってより広々と快適に乗っていられるのは、大きさを問わずベンチシートのほうなのである。

新型セレナはe-POWERルキシオンを除いて全車8人乗り。2列目席は、e-POWERモデルにもスマートマルチセンターシート(1-2列目席間を移動できるセンターシート)が備わるようになり、キャプテンとベンチシートアレンジが自在。よって、犬が乗っていないときに2列目席をキャプテンにする、犬が乗車する際はベンチシート化するというマルチな使い方ができるドッグフレンドリーなメリットがある。

ちなみに6代目となったホンダ「ステップワゴン」は2列目キャプテンシートを選んでも中寄せアレンジでベンチシート化は可能である。だが、ベンチシート化したときのシート座面幅はスマートマルチセンターシートを用いた新型セレナの1260mmに対して、ただキャプテンシート左右2席をくっつけるだけなので1030mmと幅狭になってしまうのだ。多頭、大型犬の乗車を想定すると、新型セレナが優位であることは間違いないところ。

もちろん、ボックス型ミニバンのお約束となった2列目席頭上のエアコン吹き出し口や、スライドドア部分のサイドウインドウにあるロールサンシェードの装備も、1年中、毛皮を着ていて足の裏からしか発汗できない暑がりの犬にとっても大歓迎できるポイントとなる(ここはライバルも同じ)。

車内に愛犬を乗せると、どうしてもヨダレや抜け毛、足の裏に付いた泥などによる汚れが気になる。だが、新型セレナはオプションながら防水シート(ネオソフィール生地)が一部グレードを除いて用意されている。本来、ドッグベッドなどを後席に設置して愛犬を安心安全に乗車させるのが基本だが、防水シート仕様なら愛犬をそのままシートに乗せても汚れを気にせずに済むから、掃除をする側の飼い主も、汚す側の愛犬にもメリットがある。

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