スズキ「ラパン」をゴルフ顔に
「レトロで可愛い雰囲気にしたくて、内装も外装も結構カスタムしているんです」と、話すのはHE21S「ラパン」を愛車に持つ“kenlapi”さんだ。新たなインスピレーションを求めて、各地で開催されるイベントに積極的に参加。そうしたカスタムカーライフを過ごす中で、創意工夫を加えながら完成した1台は、いつの間にか同じラパン乗りが参考にするほどになっていた。
ロケットバニーのエアロ3点セット
オールドスタイルのユーロリメイクを施したラパン。主張の強い仕立てを施すフロントフェイスは、VW「ゴルフII」ルックにアレンジを加えた点が面白い。グリルはVWゴルフII純正品を使い、現車合わせで汎用丸目ヘッドライトを組み合わせて愛嬌のある表情を作り出しているのもポイントだ。
話を聞いて驚いたのが、このラパンが装着しているフロントバンパー、サイドステップ、リアバンパーは、オーバーフェンダーでお馴染みのロケットバニー製ということ。
実は現在のオーバーフェンダーシリーズが流行る前のロケットバニーは、ラパンや「ワゴンR」用といった小型車専用のエアロパーツも手掛けるビルダーで、そのデザインの特徴も現在とは正反対にシンプルなタイプが多かった。
kenlapiさんは、オールドスタイルを目指すなら、なるべくシンプルなデザインの外装キットと決めていた。そんな時、たまたまネットでロケットバニー製の外装キットに巡り合って購入。装着させてみるとVWゴルフIIフェイスとの相性も良く、かなり個性的なルックスになったと話す。
また、オールドユーロリメイクというテーマに沿った仕上げは、カラーリングにも工夫がある。ボディ色は落ち着いた雰囲気のクリームベージュを選択し、ルーフにはワインレッドのレザーを貼っているのが特徴だ。
この手法、アメ車によく使われるファントムトップと呼ばれるカスタムで、昔のキャデラックやリンカーンにも採用されいた。過去には、幌生地を貼ってコンバーチブル風に見せるサーファーズカスタムとして人気となったこともある。そんなスタイルは、kenlapiさんのラパンにとって良い意味のアイポイントになり、とてもハマるスタイルといえるだろう。
バスのパーツを流用してノスタルジックに
内装については、ルーフに合わせてシートに使うレザー生地をコーディネイト。レトロな雰囲気を高めるために、あえてヘッドレストを外したスタイルもカッコ良い。
また、エアコン吹き出し口にも注目だ。ちょっと古そうなメッキの丸型吹き出し口は、驚くことにバスに使われていた物を流用して取り付けているそうだ。また、リアハッチに取り付けたブライドもユニークだ。これは自作かと思いきや、実は過去に短い期間だけ販売されていた激レアアイテムで、今となっては市場には滅多に出回らない物らしい。kenlapiさんは、このアイテムの存在をそもそも知っていて、ネットで見つけて即購入し、愛車に取り付けたそうだ。
ゴルフIIフェイスにシンプルなロケットバニー外装のラパン。このトリッキーな作り込みをしている人は、そうはいないだろう。イベントに参加すると、見た目が地味なので他のクルマに埋もれてしまいがちとkenlapiさんは話していたが、AMW編集部的にはとてもマニアックなカスタムで、光輝く存在の1台であった。