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スカイライン「GT-R」を600馬力に! HKSの次世代「RB26」用パーツがベールを脱いだ! コンプリートエンジン「RB30」も市販化決定!!〈PR〉

HKSが2023年9月にリリース予定の「CFRPインテークシステムfor BNR32」

 

「RB26アドバンスド・ヘリテージ」の市販パーツ第1号「CFRP INTAKE SYSTEM for BNR32」がついに発売

HKSが「最高出力600ps、WLTCモード燃費20km/L」を目標に開発している「RB26アドバンスド・ヘリテージ」。次世代のチューニングを見据えたチャレンジングなプロジェクトから市販パーツ第1号が登場する。ハイエンドのエンジンパーツを含め、HKSの「最前線」を速報としてお届けしよう。

妥協を排す理想レイアウトで吸気系をフルカーボン化

2021年1月にHKSが発表したプロジェクト「RB26アドバンスド・ヘリテージ」。現在も高いハードル(20km/Lの燃費で600ps達成)をクリアすべく、鋭意開発が進められている。そんななか、「CFRPインテークシステムfor BNR32」が2023年9月にリリース。6月1日から6月30日までの間、ファーストロットの予約を受け付けるとの一報が入った。

フルカーボンで構成されるため生産数には限りがあり、取り扱い店は「HKSパフォーマンスディーラー」、「HKSテクニカルファクトリー」、「HKSサービスセンター」のみとなる。価格は173万8000円(消費税込)。希望数が生産予定数を上回った場合は抽選になるという。

アドバンスド・ヘリテージの目標を達成するために重要なパートのひとつとなるのが「吸気」。HKSでは既存のむき出しエアクリーナー&サクションパイプキットではなく、レイアウト自体を見直した「フルカーボン」のインテークシステムを新規開発。価格も販売方法も異例と言えるが、その内容を見れば納得いただけるはずだ。以下、説明しよう。

ドライカーボンで高性能と存在感を主張する

パワーと燃費を両立するためには、吸排気/燃焼/点火など、すべての領域に「徹底的な高効率の実現」が求められる。今回発売となるCFRPインテークシステムは、吸気のレイアウト自体を一から見直し、吸気エアーの温度を極力下げるために純正同様のクローズド(BOX)レイアウトを選択した。また、R32の純正クリーナーはフロント側からしか外気を取り入れないが、HKSのシステムは助手席側フェンダー裏にもともと開いている穴からもエアーを取り入れる。これにより、純正比で2.4倍の吸気面積を確保し、圧力損失も従来比で46%低減するという(600ps相当時)。

しかし、ノーマルではその部分にウォッシャータンクが装着されているため、樹脂製の専用タンクを製作してストラットタワー前に移設。さらに純正パワステフルードのタンクも移動させ、サクションのレイアウトを極力ストレートにすることで圧損を低減することに成功している。純正との装着比較写真をご覧いただければ、取り回しの違いがよくわかると思う。

また、ツインターボのRB26特有の現象といえる「サージング」対策にも抜かりはない。サクションパイプ内にサージを抑制する整流板(アンチサージプレート)を配すことで、吸気干渉の発生マージンを拡大しているという。

いわば、RB26で高効率の燃焼効率を実現するために必要な「究極のインテークステム」であり、従来のチューニングパーツの開発とは一線を画す製品ということがおわかりいただけるだろう。基本的にはアドバンスド・ヘリテージの目標値である「600ps」クラスのRB26を対象に開発されているが、それ以下のパワーでも十分に効果を発揮。300psの仕様で比較した場合、純正の吸気系との比較で圧力損失は67%も低減されるというから、実際のフィーリングにも体感可能な差が生まれるはずだ。

限定販売ではないが初回ロットの数はそれほど多くないとのこと。欲しい方は早めに予約を入れるべし!

■もっと詳しくカーボンインテークシステムを知りたい人はこちら

2996ccを実現する「RB30」がついに市販化!

さらに、HKS渾身のコンプリートエンジン、「RB30」がいよいよリリースされる。

同社ではすでに「ステップ0/ステップ1/ステップ2/ステップ3/ハイレスポンス」という計5タイプのRB26用2.8Lキットをラインナップしているが、今回追加される「3.0Lステップ3」は、純正ブロックのままでノーマル+11.3mmの84.0mmというロングストロークを実現。画期的かつオンリーワンの技術と言っていい。

RB26は純正ブロックでの限界が1mmボアアップ(87φ)の2771cc(2.8L)と言われている。3.0L化するには輸出用のRB30ブロックを用いるか純正ブロックのハイデッキ化(嵩上げ化)、もしくはブロック自体をビレットで新設するしか方法がなかった。

HKSが今回採用したのは、ピストンを分割式の2ピースとすることでピン位置をトップ側にズラし、コンロッド中心間距離を6.0mmプラスするという方法だ。これにより、ハイデッキ化することなくコンロッド長を稼ぎ、連桿比も大きくすることができている。

かつて、HKSではレース用のピストンとして2ピースを手がけたことがあるものの、市販品としては初の試み。高温/高負荷下で高速運動をするピストンは、非常に高いレベルでの強度と精度が求められる。それを分割式とするには、高い技術力が求められるのは言うまでもない。

2022年夏を予定していた市販化が遅れたのは、エンジンベンチおよび実車でのテストでの検証と対策に時間を要したからだという。ベンチでは全負荷で900ps/最高回転数9000rpmという過酷なテストを実施。その後、エンジンを分解し、各部を細かく検証するという作業を積み重ねてきた。

「一次試作ではピストンのピン穴に数十ミクロン単位の微少な変形が確認できました。それを受けて、ピストン内側の剛性を見直し、肉厚を増して当たり面を最適化した二次試作品を新規製作し、問題をすべてクリアできことでようやく市販に漕ぎ着けました」と語るのは、同社でエンジン開発を担当する高橋孝吉氏。

2ピース構造のピストンという特殊性もあり、パーツ単体でのキット販売ではなく、ベア状態のコンプリートエンジン「RB26 3.0L ステップ3 Vカム」と腰下のみのショートブロック「RB26 3.0L ステップ3」としてリリース。組み立てはすべてHKS本社の熟練工が手がけ、ブロックやヘッドなどの純正部品はすべて新品を使用。バリ取りや各部研磨/加工などを施した完成形として出荷される。

■コンプリートエンジンのスペックを詳しく知りたい人はこちら

VR38用の4.3L STEP Proは待望の単品キットも新設定

同様にR35のVR38用「4.3L ステップPro」にも新ラインナップが加わった。従来はコンプリートエンジンのみでの販売であったが、キットの「BCD」も販売開始。組み込みには強度アップのためピン部のスミRを拡大している専用クランクに合わせたメタル加工などが必要となるが、各チューナーからの要望に応える形で設定を追加したという。

今年で創立50周年を迎えるHKS。RB26/VR38ともに、GT-Rのパーツ開発にはこれまで以上に力が入っていることが窺える。

■HKS(エッチ・ケー・エス)
https://www.hks-power.co.jp/

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