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「ルート66」始まりの地・シカゴの老舗レストランは創業100年! 映画『アンタッチャブル』の聖地巡りもオススメです【ルート66旅_04】

2023年でちょうど創業100年の節目を迎えたルー・ミッチェルズ。長きにわたりルート66の旅人たちに愛され続けている名店なのだ

ルート66よりも長い歴史を持つレストラン「ルー・ミッチェルズ」

広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内します。今回は始まりの地、シカゴで旅立ちの前にぜひ寄っておきたいスポットをご紹介。

シカゴに着いたら旅の前に1泊してリラックスしよう

ルート66が成立した1926年から廃線となった1985年まで、そしてヒストリック・ルート66として甦ってから現在まで、3755kmに及ぶ母なる道のスタート地点であり続けたシカゴ。ここからはるか遠くカリフォルニア州サンタモニカを目指す旅を始める前に、ぜひとも足を運びたい場所がシカゴ中心部にはいくつかある。日本とアメリカの中部標準時を採用するシカゴとの時差は-14~-15時間、到着後は時差ボケの解消と疲れを癒すため1泊するのがいいだろう。

ルート66へ出発の前には老舗のオムレツとポテトを味わいたい

ルート66関連の書籍にほぼ間違いなく登場するのは、1923年に創業したダイナー「ルー・ミッチェルズ」だ。平日は朝の6時から営業し、出勤前のビジネスマンやルート66のファンが集まり大いに賑わっている。目の前を通るジャクソン・ブルバードは現在こそ東への一方通行だが、ルート66が創設されたときの始点から約1マイル(1.6km)しかなく、ルー・ミッチェルズでシカゴ最後の食事を済ませてから旅立つ人、反対に長旅を終えた人も多く立ち寄ったという歴史ある名店なのだ。

スキレットに盛り付けられたオムレツとポテト、そして柔らかく焼き上げたパンケーキやトーストは、アメリカらしいボリュームだが優しく家庭的な味で、何十年と通うファンが多いのもうなずける。なおルー・ミッチェルズは「マザー・ロード66最初の停車駅」とも呼ばれ、2006年にはアメリカの文化遺産保護制度である国家歴史登録財にも指定された。

今も残っている映画『アンタッチャブル』の「階段」

空腹が満たされたらひとつ東の交差点にある、ユニオン・ステーションまで歩いてみよう。1925年に完成した駅舎は神殿のような荘厳さで、全米を網羅する長距離鉄道のアムトラックや、シカゴ市民の足であるメトラが乗り入れている。ここの目玉は天井まで34mという高さのグレート・ホールで、天窓を備えたアーチ型の天井や数々の彫像で華やかに装飾され、最大で3000人を収容できるキャパシティがあるとのことだ。

ボザール様式の建築そのものも見応えたっぷりだが、映画ファンにとって外せないのはホール東側の大階段。1987年に公開され日本でもヒットした映画『アンタッチャブル』は、禁酒法時代のシカゴを舞台にギャングのボスであるアル・カポネと、財務省に所属する捜査官エリオット・ネスらの戦いを描いた名作だ。

映画を観たことの人なら忘れるはずもないクライマックス、通称「階段落ち」のシーンがまさにグレート・ホールの大階段。本当なら列車を使う大がかりな撮影にする予定が、予算の都合で仕方なく階段に変更された結果、映画史に刻まれる屈指の名シーンとなった。

実際に現場を訪れると大階段といいながら意外にこじんまりとしており、複数の視点が異なるカットを組み合わせた「モンタージュ技法」と、スローモーションを併用した効果の大きさに驚かされるばかりだ。

ちなみにグレート・ホールに大階段はふたつあり、劇中で使われたのはカナル・ストリートに面する東側。ケビン・コスナーやロバート・デ・ニーロ、ショーン・コネリーら名優の演技はもちろん、ギャングが警察や裁判所まで買収していた、当時のシカゴを分かりやすく描いている。ルート66と直接の関係こそないものの、旅の前に観ておいて損はないと思う。

シカゴでブルースやジャズを聞いておくのもまた楽しい

前回で書いたようにシカゴは音楽が盛んな街でもあり、1泊するならブルースやジャズのライブを楽しんでもいい。何度か行った「キングストン・マインズ」は付近の治安がよく、夜でも人通りが多いため旅慣れていない人にもオススメだ。また中心部には寿司やラーメンなど和食のレストランが多く、日本からの飛行機が到着するオヘア国際空港の近くには、日系のスーパー「ミツワ・マーケットプレイス」もある。長い旅の途中で慣れ親しんだ味が恋しくなったときのために、お菓子屋やインスタント食品を仕入れておくのもいいだろう。

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