ブラバスの力強さを表現した1台
現在のブラバスは、メルセデス・ベンツをはじめとするプロダクション・モデルのチューニング・メーカーから自動車メーカーになった。そして高性能なボートを生産するマリン部門や、時計メーカーであるパネライとの技術協力のもと、高級腕時計のデザインにも進出している。その事実を世界に向けてアピールする目的もあったのだろう。ブラバスは2023年6月13日に「ステルス・グリーン」のボディカラーを採用した驚異的な最新モデルのトリオを発表した。
0-100km/h加速はわずか4.6秒
まずは主役の「800 4×4スクエアード・ステルス・グリーン」から紹介を始めよう。ベースとなっているのは、限定車としてメルセデスAMGが生産した「G63 4×4スクエアード」。サスペンションにポータルアクスルを採用するなど、オフローダーとしての機能性をスタンダードな「Gクラス」よりさらに高めたモデルで、エンジンルームにはメルセデスAMG製の4L V型8気筒ツインターボエンジンが搭載されている。
ブラバスはエンジンに独自のチューニングを施し800psの最高出力と1000Nmの最大トルクへと強化。各々212ps、140Nmのエクストラを生み出したチューニングのコアとなっているのは、最大ブースト圧が1.6バールというブラバス製の大型ターボチャージャーのほか、インジェクションやイグニッションに最適なマップを提供する、やはりブラバス自製の補助コントロールユニット、Power Xtraなどである。9速ATとの組み合わせによる0-100km/h加速はわずか4.6秒、最高速は電子制御によって210km/hに抑えられている。
4500kgまで対応可能なウインチを備える
エクステリアのデザインコンセプトも、やはりオフロードの強さが基本だ。フロントにはカーボン製のスキッドプレートを内蔵したブラバス・フェイシア、LEDサイドマーカー、4500kgまで対応可能なウインチなどが備えられている。
フロントガラス上部のカーボン製ウインドディフレクターにも、LEDのハイパフォーマンスライトが内蔵。またエレガントで機能的なアクセサリーは、ルーフ全体に広がるルーフラックの上に、効率的にエアを流す効果を持つという。荷物の積み下ろしを容易にするためにリアにラダーを装備しているのも特徴的だ。
モノブロックHDと呼ばれる22インチ径のホイールは、最も過酷なオフロードミッションにも対応するスチール製。タイヤは前後とも325/55R22サイズのオールテレインタイヤが選択されており、グロスブラックに塗装されたホイールのスポークの間からは、やはりステルスグリーンのブレーキの姿を見ることもできる。
キャビンはラグジュアリーでスポーティな雰囲気
エグゾーストは軽量なステンレス製で、選択したドライビングモードによって、カミングホーム、スポーツと音質は変化する。また夜間には赤いライティングで視覚的にも楽しめるシステムが、エグゾースト・システムには組み込まれている。
ステルスグリーンの外観とは対照的に、インテリアはブラバス・サンライズと呼ばれる、明るい基調の高級レザーでハンドメイドされている。シートサイドボルスターやセンターコンソールサイドなどには、ブラバスの創業年である1977年にちなんだ77のロゴがエンボス加工されたブランドパターンのヘリテージを採用。さらに各種のカーボンやアルミニウムのアクセサリーなどで、キャビンはラグジュアリーかつスポーティな雰囲気に満ち溢れている。
