キャンプ場でオシャレに見える輸入車ミニバン
ミニバンの見晴らし視界、天井が高い広大な室内空間、そして両側スライドドアによる後席乗降性の良さに魅力を感じていても、比較的コンパクトな国産ミニバンだと、どうもファミリー臭が強すぎて抵抗がある……もっとオシャレでアウトドアにも向くクルマはないものか?
アウトドアブームで注目されるジャンル
3列シートは不要と割り切って、ハイトなクルマが欲しいのなら、いっそ、コンパクトな輸入ユーティリティカーを狙うのはどうだろうか。高く見晴らし感覚ある乗車視界、天井が高くゆとりある使い勝手にも優れた室内空間、そして両側スライドドアによる後席の乗降性に優れた、人とは違うアウトドアに乗っていくのにも打ってつけの、多くは2列シートのプチバンである。
つい最近、シトロエン「ベルランゴ」、プジョー「リフター」の兄弟車でもあるフィアット「ドブロ」なる輸入ユーティリティカーが上陸。アウトドア大ブームのなか、大注目されている輸入車のジャンルでもあるのだ。
ルノー カングー
その筆頭が、世界中にファンを持ち、日本でもカングージャンボリーなる、ファンのための一大イベントが開かれているルノー「カングー」だ。さすがに新型は発売されたばかりで一気に高額車になってしまい、新しすぎて中古車はまず探せないはずだが、先代モデルの中古車なら100万円台から見つけることができる。
ボディサイズは全長4280mm×全幅1830mm×全高1810mm、ホイールベース2700mm。パワーユニットは初期型が1.6L NAエンジンで、最高出力は105ps、最大トルクは15.1kgm。後期型は1.2Lターボエンジンとなり最高出力は115ps、最大トルクは19.4kgmを発揮していた。また、先代最後のモデルとしてレアなディーゼルモデルも存在した。
トランスミッションは4速ATまたは5速MTとなる。新車価格はおよそ260〜280万円と、輸入車としてはかなりリーズナブルでもあったのだ(新型は充実した先進運転支援機能が初めて付いたこともあって一気に395〜419万円に)。
室内空間は広大。身長172cmの筆者が両側スライドドア(パワー機構はなし)から乗り込めば、頭上に285mm、膝周りに190mmの空間が確保され、天井が高いこともあって、4人乗車でもかなりゆったりとしたドライブが楽しめるのだ。
さらに天井2カ所にオーバーヘッドコンソール(物入)が備わるとともに(新型は1カ所)、テールゲートはカングー伝統である観音開きのダブルバックドアを採用。国産ミニバンのように縦に大きく開いて、ひさし代わりになる使い方はできないものの、車体後方にスペースがない場所でもバックドアを開けやすい、大型犬などのペットを安全に乗り降りさせられるなどのメリットを持つ。もちろん、ラゲッジスペースの積載力は、もともと働くクルマだから申し分なし。アウトドアの大きく重い荷物も無理なく積み込めるのだ。
その走りは大らかさと乗り心地の良さが大きな魅力。活発な走りは期待できないが、アウトドアフィールドを目指し、ゆるーくドライブを楽しむ心地よさを味わえるはずである。
ちなみに同種のシトロエン ベルランゴやプジョー リフターあたりになると、発売が新しく、まだまだ300万円~400万円前後からの中古車価格になるため、予算に余裕があり即納を望む人向けとなるだろう。