グサグサに腐っていたミニのボディをトレーラーとして再生
2023年4月29日、昭和の日に岐阜県中津川市で開催された「花街道つけち昭和モーターショー」。昭和に生産・登録された150台もの旧車が集合した中から、クラシック・ミニでもう1台のミニ(?)を牽引しているユニークなオーナーに話を聞いてみました。
ベースはジェットスキー用のトレーラー
ミニがミニを引っ張るという不思議なシチュエーション……しかし別にトラブルではない。2000年式のローバー「ミニ・クーパー」でハーフサイズの1974年式の「ミニ・バン」らしきものを牽引して会場に訪れていたオーナーは、鈴村さん。じつは牽引されていたハーフサイズのミニ・バンは、自作のカーゴトレーラーとなっている。
「知り合いがこのバンを仕入れたんやけど、腹下が腐食していて車検が取れない状態で。レストアするには金がかかるし、で、エンジンだけで後は要らん言ったんで、ならトレーラーにしようかって。それでこれを載せるために、ジェットスキーのトレーラーをベースに軽トレーラーにしたやつをネットオークションで購入したんです」
トレーラー化プロジェクトはDIYで約3カ月で完成
自作のカーゴトレーラーの製作過程は、バンのボディを鉄用の刃を付けた丸鋸で切断し、床が腐っていた中間部分を取り除き、後半部分(荷台の部分)とボンネット部分を溶接。知人に塗装をお願いし、トレーラーの上にハーフサイズのミニ・バンのボディを載せて完成といった具合だ。
ベースとなったトレーラーにサイドブレーキが無かったため、「ワゴンR」のホーシングを移設。そのホーシングにミニ用のPCD100の4穴ホイールも装着した。これらの作業のほとんどはバックヤードで行われ、暇を見つけながらの製作期間は約3カ月くらいだったという。
この時期のトレーラーのボディカラーはブルーで、牽引する側のミニも現在のミニとは違っていたそうだ。トレーラー完成後は5~6年鈴村さんが使用し、その後に同じくミニ乗りの知り合いに譲ることに。その方のミニがグリーンだったので現在のグリーンに再塗装され、開いてテーブルになる窓の部分も作り替えられた。そして、その知り合いが手放すということで、再び鈴村さんの手にこのトレーラーが戻ってきたわけだ。
近い将来、娘さんが引き継ぐ予定
現在の牽引する側のミニは前記の通り2000年式のローバー・ミニ・クーパーで、トレーラーを製作した際に製作したヒッチメンバーをセットしている。
「マフラー変えてあるぐらいで、とくに何もやってないですね。いずれ娘が乗るんですよ。でもAT免許なんで、MTの免許取るかATに積み替えるか……」
その娘さんの“みゆき”さんに聞いてみたところ、免許をMTに限定解除してこのミニに乗りたいとのことだ。
「乗るつもりでいます。クルマ好きの父の影響で、クルマの中ではあのミニが一番好きなんですよ。運転するのは、まずは頭の方だけですけど」
ということで、娘さんがこのトレーラーを牽引してミニに乗るのは、免許の限定解除やミニ本体での運転の練習などを経た、少し先のことになりそうだ。それまでは鈴村さんがこの組み合わせでイベントなどに登場することになるのだろう。