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光岡自動車の「霊柩車」が絶好調! 前年比22%増の秘訣は、先行生産車販売による納期短縮にありました

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明

搬送車事業も絶好調

「ロックスター」や「バディ」など、ヒット作を連発している光岡自動車。そのヒット作の裏に隠れながらも、じつは屋台骨として光岡自動車を支えているのが、霊柩車や搬送車を手がける特装グループである。

新型車両も投入予定

霊柩車といえば、お棺を運ぶクルマとして、葬式での出棺時に使用される車両。その昔は寺院の装飾のような豪華な装飾を施した宮型霊柩車などが多く導入されていたが、現在では黒塗りに革張りのルーフに、昔の馬車の幌開閉のための「ランドボー」をイメージしたS字型の金具を車両サイドに取り付けた洋型霊柩車というものが主流となっている。

「搬送車」とは、内装は霊柩車と同じく棺台を備えた車両でありながら、外観は一般車と変わらない車両。病院から故人宅への搬送などを主に使われる車両であるが、最近では、この搬送車で葬儀の出棺まで行ってしまうことも多いという。霊柩車、搬送車ともに貨物自動車運送事業の霊柩限定車両として、日本国内で合わせて6000台前後が登録されている。

その製造を担うビルダーも国内に数社存在。車両をストレッチしたり、棺室(お棺が収まるスペース)の装飾にこだわったり、その技術を競っている。輸入霊柩車の販売を行っていた光岡自動車が、自社生産車でこの霊柩車・搬送車事業に参入したのは、2000年あたりからとなる。国産高級車ベースの霊柩車や各種ミニバンベースの搬送車、そしてミツオカブランドの「ガリュー」や「リューギ」といった車両の霊柩車バージョンも手がけている。

近年、その光岡自動車の特装グループは積極的な攻勢を仕掛けてきた。それが、先行生産車販売である。このコロナ禍、そして半導体不足により、新車の納入時期が全体的にずれ込んだが、それをカバーするために事前に積極的なベース車両の仕入れと先行生産を行ったのだ。これにより葬祭事業者より受注してから車両製作、そして納車までの期間短縮が可能に。これが好調な販売につながり光岡自動車は、2023年6月15日、2023年1‐5月期の受注台数が100台を突破したことを発表した。

2022年の1‐12月期受注実績は202台であったというが、その半数となる受注台数105台(前年同期比22.1%)を半期を待たずして達成したことになる。現在も特装グループでは在庫車両を豊富に取り揃えており、納期の短縮化が他社よりも優位となり、葬祭事業者にもそれが認知されてきたと捉えているそうだ。

光岡自動車では、新たに2023年4月にトヨタ「タウンエース」をベースとした「タウンエース搬送車」の製造販売を開始している。既存のミニバン搬送車よりも最小回転半径が小さく狭い路地でも取り回しが良いうえに、全長2000mmのお棺まで対応可能なストレッチャー兼用棺台を装備し、大きな収容能力が特徴だ。ちなみに車両価格は284万5000円(DX 2WD・消費税込)となる。こちらも販売が好調とのことだ。

光岡自動車では2023年1-12月期通期において、過去最多受注台数を目指すとしている。

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