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スズキ「フロンテ」からフェラーリ「F40」までが参加! 岩手の人々に愛されるクラシックカーラリーの秘訣とは

スズキ「フロンテ」からフェラーリ「F40」までが参加! 岩手の人々に愛されるクラシックカーラリーの秘訣とは

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TEXT: AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)  PHOTO: AMW 竹内耕太/TdM撮影班(高橋賢治、川村芳昭、奥瀬隆史)/cngng

コース上の人々に通過予定時間をしっかり周知している

土曜の昼に盛岡八幡宮を出発した一行は、盛岡市街地で大勢のギャラリーから歓迎を受けます。岩手山を望みながら岩手県の山間部を走って三陸海岸へと向かうのですが、コースの途中途中、商店街はもちろん、峠の途中などでもツール・ド・みちのくの隊列を待ち構えていて、写真を撮ったり笑顔で手を振ってくれるギャラリーの皆さんがたくさんいます。こちらもニッコリ笑って手を振って、老若男女の幅も広い岩手の人々とちょっとしたコミュニケーションを重ねていけるのも、また楽しいところです。

ときおり、小さな子どもがこちらのカルマンギアを見て「カッケエ~!」と叫んでくれたりすると、このままそのセンスを大事に立派なクルマ好きに育ってほしいと願うとともに、少年の純粋な目に恥じることのなきよう、自分のクルマをキレイに維持していこうと、今後のモチベーションにもつながるのでした。

これほどギャラリーが多い理由は、実行委員会が事前に、各エリアにラリーの想定コースと想定通過時間をしっかりお知らせしているから。岩手の地元の人々が事前に丁寧に準備を進めて、エントラントはもちろん、ギャラリーも一緒にラリーイベントを楽しめるように心を砕いているのが窺われますね。

地元のカルマンギア乗りとプチツーリング

初日の後半は久慈市から太平洋に出て、三陸沿いを南下して「グリーンピア三陸みやこ」まで。ここでの中夜祭では岩手の山海の味覚を存分に味わいます。

そして明くる2日目は、三陸復興国立公園の中心にある宮古の景勝地「浄土ヶ浜」の中の道を、特別な許可のもとにクルマで走るという体験から始まりました。

ここで個人的にうれしい出来事が。浄土ヶ浜を抜けた駐車場に、4年前のツール・ド・みちのくで釜石付近ですれ違った記憶のある、地元ナンバーの黒いカルマンギア・カブリオレと再会したのです。ワンコ連れのオーナーさんに話を聞くと、27歳からカルマンギアを乗り継いで現在の1969年式で3台目、御年73歳、つまりカルマンギア歴46年のの大ベテラン! 宮古から釜石エリア、そして遠野まで、しばらくカルマンギア2台で連れだってのプチツーリングを楽しめました。

結果は64台中13位! 大チョンボのわりには頑張った?

日本の民俗学を切り拓いた柳田國男の名著『遠野物語』に思いを馳せながら遠野エリアを走り、途中、ゲリラ豪雨に見舞われながらも再び盛岡八幡宮に戻ってゴール。しばらく参加者やギャラリーの皆さんと交流していると表彰式が始まり、上位とブービー賞などの入賞者は岩手の名産品をゲット。そしてみんな笑顔で帰路へとついたのでした。

で、わがカルマンギアの成績は、エントリー64台(うち2台は途中で諸事情によりリタイア)中の13位で、総合得点は147点。ちなみに1位は168点でした。147点の内訳を見ると、クイズは1日目が1問のみ間違いで2日目は満点で上出来。ネックは1日目のSS(線踏み)で、23秒の設定タイムに対して21.050秒! と大幅にミスってマイナス20点されていたのでした。ここのミスが少なければ順位1桁は狙えたようです。

とはいえ初ペアだから仕方ないし、最初のSSでこれだけ大チョンボして13位ならむしろ立派なものでは? とポジティブシンキングに切りかえて、楽しい思い出とともに、さらに600kmほど走って小田原の自宅へ帰りました。

* * *

2日間で400kmのコースを走って、沿道のギャラリーに手を振り返した回数は、数えていないけれど3桁にのぼったと思います。美しい風景だけでなく、地元の人々との交流がこれほど濃厚に楽しめるのが、ツール・ド・みちのくの大きな特色。実行委員会の皆さんのクルマと郷土への深い愛情がなければできないことでしょう。本当にありがとうございました! できれば次回もまた参加して、あわよくばさらなる上位を目指したいと思うのでした。

■ツール・ド・みちのく
https://tourdemichinoku.jp

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  • AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)
  • AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)
  • 田舎の大学院で古代インドのサンスクリット語を研究していた元・学者の卵。クルマ遊びにハマって中古車販売店で1年働いた後に出版業界へ。クルマやカルチャー系の雑誌のほか、翻訳書、人文書、地図帳、写真集など手がける。クラシック・フォルクスワーゲンが趣味の中核で、愛車は1963年式カルマンギア。数年前に都内から小田原へ移住し、賃貸ガレージハウスでリモートワークしつつ、箱根や伊豆のワインディングをのんびりドライブする日々。
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