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「世界一安全なクルマ」を目指したら半端なトレーラーハウスみたいに!? 本気で量産化を目指した「サー・ヴィヴァル」とは

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循

ニューヨーク万博で話題を呼ぶも、時代は華麗なスポーツカーに……

このユニークな「安全車」は『メカニック・イラストレーテッド』誌1959年4月号の表紙を飾り、ジェロームは同誌の取材に対し「サー・ヴィバルを年に10台から12台作り、1台1万ドルで販売するつもりだ」と語っている。

サー・ヴィバルは1964~65年にかけて開催されたニューヨーク万国博覧会にも出展され、当時のアメリカではそれなりの話題にもなった。しかしそのニューヨーク万国博覧会といえば、あの初代フォード「マスタング」が華々しくデビューを飾った舞台でもある。多くの人々はマスタングのような華やかで格好のいいクルマに夢中で、「安全オタク」の奇妙なクルマはやがて忘れ去られていった。ジェロームは最終的には1日1台の「量産」を目指していたが、作られたのはこのプロトタイプを1台のみである。

収蔵するナッシュビルの博物館ではレストア計画も

クルマにつけられたサー・ヴィバル(Sir Vival)という車名は交通事故からのサバイバル(survival)に引っ掛けたものであろうか。しかしサー・ヴィバルは量産されることはなく、現在テネシー州ナッシュビルのレーンモーター博物館の所蔵車となっている。博物館ではレストアを行う計画もあるというので今後の情報も気になるところだ。

* * *

ちなみに今回の記事のきっかけとなったのは1台のミニカー。Auto Cult(オートカルト)というドイツのブランドからリリースされている1/43スケールのレジン(樹脂)製モデルだ。同社からは他にも知られざる名車(迷車?)の数々が模型化されているので、気になる向きはぜひそちらもチェックされたし。

■Auto Cult(オートカルト)1/43
車名:Sir Vival 1958(サー・ヴィバル)
型番:06054
定価:3万5200円(消費税込)
問い合わせ:国際貿易 https://www.kokusaiboeki.co.jp

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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