HKSのフル装備BRZデモカーに試乗してレポート
国内最大のチューニングパーツメーカーHKSは、人気の現行型トヨタ「GR86」&スバル「BRZ」の+400ccをさらに活かす遠心式スーパーチャージャーキットを2022年11月に発売。さらに2023年4月、専用のサブコントロールシステムを投入することで、そのポテンシャルを存分に発揮することを可能としました。はたしてどんな走りなのか、モータージャーナリスト斎藤 聡氏がHKSのBRZデモカーに試乗してレポートします。
スーパーチャージャー装着で大排気量エンジンに近い力感に変身
HKSのデモカーに装備されていたスーパーチャージャー(S/C)は、ターボチャージャーのインペラー側をクランクプーリーとベルトでつないで動力を得て、コンプレッサーで圧縮した空気をシリンダー内に送り込む、遠心式S/Cと呼ばれるタイプだ。「GT2スーパーチャージャープロキットfor GR86/BRZ」としてキット化されている。
そのキット内容は、GT2-7040L(S/C本体)に取り付けブラケット、パイピング、インタークーラー、トラクションフルード関係パーツ。これを専用の「サブコントロールシステム(ECU制御データ入り)」にて制御している。
これらによってスペックは241ps/256Nmから過給圧0.41kPa時に316ps/361Nmまで向上。なによりうれしいのはこの仕様ならポン付けOKで、特別なセッティングを必要としないところ。さらにS/Cに取り付けられているリストラクターの交換や、ECUのリセッティングによって、さらなるパワーアップも可能だ。
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純正と言えるほど自然なパワーフィールとトルク感
今回試乗した仕様のパワー感が抜群に洗練されており、これ以上のパワーアップが必要とは思わなかった。これが純正と言われても違和感がないほど、完成度が高い仕上がりだ。
パワーフィールはエンジンの回転数が上がるほどにトルクが充実し、パワーも伸び上がっていく。ルーツ型やリショルム型のS/Cのようなメカニカルロスが感じられないのも心地よい。アクセルに対する応答性はNAエンジンのようで、3.5~4Lのスポーツエンジンといった印象だ。
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ハイパーマックスRとのバランスも素晴らしい
サスペンションは「ハイパーマックスR」。スプリングは標準仕様が前9kgf/後10kgfで、山道のスポーツドライビングにはピッタリ。ハイパーマックスRは、そのままサーキットでのスポーツ走行まで楽しめる実力を持っていて、街乗りは減衰力を調整するだけでカバーできる。
このパワーユニットと足まわりのパッケージングは、そのバランス感覚も含めて素晴らしく良かった。ダイナミックなFRスポーツの面白さが存分に楽しめるクルマに仕上がった1台と言えるだろう。
■デモカー主要装着パーツ(価格は消費税込) HKS GT2スーパーチャージャープロキット:53万9000円 |
■HKS(エッチ・ケー・エス)
https://www.hks-power.co.jp/