SUPER GTを代表する名門チーム
日本を代表するGTレースとして、海外でも人気の高い「SUPER GT(以下、スーパーGT)」。GT500クラスはトヨタ/ニッサン/ホンダの3メーカーがしのぎを削っている。今シーズンはトヨタ「GRスープラ」が6台、ニッサン「フェアレディZ」が4台、ホンダ「NSX」が5台参戦している。今シーズンを戦う15台のなかから、今回は23号車MOTUL AUTECH Zで戦う「NISMO」を紹介しよう。
ベテラン実力派コンビで王座奪還に挑む
1984年にニッサンのモータースポーツ統括会社として設立されたニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社を前身にもち、ニッサンのワークスチームとして最前線で活躍。ル・マン24時間レースや全日本ツーリングカー選手権(JTCC)、全日本GT選手権(JGTC)およびスーパーGTなど、国内外のレースで活躍してきた。
とくにスーパーGTでは名門として定着しており、1998年にエリック・コマス/影山正美がGT500クラスでドライバー部門およびチーム部門の2冠を達成。1999年にはコマスがドライバー部門で2連覇を達成したほか、2003年には本山 哲/ミハエル・クルム、2004年に本山/リチャード・ライアンのコンビが2冠を達成した。
その勢いはスーパーGTでも健在で、2005年にチーム部門を制すると2008年には本山/ブノワ・トレルイエがドライバー部門を制覇。さらに2014年および2015年には松田次生/ロニー・クインタレッリが2冠を達成するなど、まさにNISMOはGTレースシーンにおいて名門として定着している。
2022年にオーテックジャパンと経営を統合してからも「NISMO」の愛称を継続し、スーパーGTで活躍。主力モデルをそれまでのGT-Rから新型Zにスイッチしており、デビュー戦となる第1戦の岡山で松田/クインタレッリが3位入賞を果たすと第6戦・SUGOで2位入賞を果たすなど2回にわたって表彰台を獲得した。
残念ながら計4戦でノーポイントレースを演じたことから、2022年はタイトル争いから脱落したが、2023年はポイント争いを左右する存在となりそうだ。
というのも、23号車は抜群のコンビネーションを持つ松田/クインタレッリが残留したほか、主力モデルのZも熟成が進んでいる。もともと新型Zは空力性能が高く、NISMOが得意としてきたテクニカルなコースのほか、ハイスピードコースでもデビューイヤーから抜群のパフォーマンスを見せてきただけに各レースで上位争いを支配することだろう。
事実、開幕戦の岡山ではNISMOの23号車がポール・トゥ・ウインを達成。第3戦の鈴鹿ではクラッシュを喫したが、2023年もNISMOの新型Zがタイトル争いの鍵を握るに違いない。