北米にGR86の雷鳴が轟いた
トヨタからAE86発売40周年を記念した特別仕様車「GR86 TRUENO Edition(トレノ エディション)」が発表された。プレミアムグレードをベースにつくられたGR86トレノ エディションは、MTとATの両モデルが用意され、米国市場向けに860台の限定車として2024年に発売される。
AE86風のボディカラー
デザインのインスピレーションとなった1980年代のAE86へのオマージュとして、フロントバンパーリップとリアデッキリッドにトレノ エディションのバッジが装着される。さらに、ボンネットにはブラックのラッピング、ロゴ入りサイドパネルグラフィック、ブラックカラーのダックテールスポイラー、ブラックのドアハンドル、ミラーキャップなど、AE86を感じさせるカラー装飾が中心となる。ホイールは、トレノ エディション独自のブラックメタリック仕上げの18インチ10本スポークアルミホイールを採用する。
赤を基調としたスポーティなインテリア
インテリアは、赤いレザーと組み合わせたウルトラスエード・スポーツシートを採用。さらにシフトブーツと革巻きステアリングホイールに入る赤いステッチが空間を引き立てる。トレノ エディションのロゴ入りシフトノブや全天候型フロア/トランクマットも、ドライバー重視のコクピットのアクセントになっている。
SACHS&Bremboが復活
また特筆すべきポイントとして、ZF SACHSダンパーとBremboブレーキで構成されるオプションのパフォーマンスパッケージが追加されるという点である。これは先代モデルにもあったセットで、高く評価されているパッケージ。北米仕様で採用されるということは、秋に発表されるであろうC型のGR86&BRZに採用され可能性は高い。
MT車にもアイサイト標準装備
そして、プレスリリースにはマニュアルトランスミッションにもToyota’s Star Safety Systemが採用されるとある。これは、日本でスバルがBRZのMT用として発表したアイサイトのこと。日本だけでなく、北米でもMT+アイサイトが本格的に始動することになるようだ。
レビンではなくトレノなのは頭文字Dの影響か?
気になるのは、なぜレビンではなくトレノなのかということである。このあたり、アメリカでClub 4A-Gというオーナーズクラブを運営する三輪さんに聞いてみた。
「そもそもアメリカにはレビンもトレノも存在しません。今回トレノという名称が使われたのは、恐らく『頭文字D』の影響なのでしょう」
とのこと。北米では、Netflixで『頭文字D』が吹き替え放映されており人気となっている。今回の車名を「トレノ」としたのは、アニメの人気からだと思われる。おかげでAE86は高騰しているらしい。GR86トレノ エディションは860台の限定車だが、北米であればこの台数は、あっという間に売り切れになるだろう。
アメリカ仕様がトレノなら、日本仕様をレビンで販売してくれると楽しいのだが……。
* * *
今回北米で発表された、GR86トレノ から、次期モデルのGR86&BRZの片鱗が見えてきた。ひとつは、MT+アイサイト。そしてもうひとつは、ZF SACHSダンパーとBremboブレーキシステムのパッケージ追加がありそうだということだ。C型の発表まで静かに待ちたい。