Cタイプより洗練された印象の「Dタイプ」
続いて試乗したDタイプは、Cタイプと比較すると一気に現代的な印象を抱くことができるレーシングモデルだった。生産が25台の限定で行われることや、その理由に関してはすでに解説しているとおりだが、ジャガー・クラシックによる精巧な職人技によって新車時と同様に、いやそれ以上の魅力を持って誕生しているのは言うまでもないところ。
ボディはショートとロングの両タイプが用意されているが、今回の試乗車は前者であった。したがって搭載エンジンもCタイプと同様、3.4Lの直列6気筒トリプルキャブレターとなる。最高出力は295psだ。
Dタイプを駆ってのサーキット走行は、そのアベレージスピードこそ控えめではあったものの、素直な操縦特性の恩恵で、非常に楽しく、同時にジャガーの歴史を顧みることができるものだった。
ステアリングの感触も良く、路面の状況をフロントタイヤから正確に伝えてくれる。一方後輪の状態は、シートからこれもまた一切の遅れを感じることなく伝わってくる。175万ポンド(約3億1325万円)という価格には、あいかわらず驚嘆の言葉しか出てこないが、それでも世界にわずか25台のこのコンティニュエーションモデルをオーダーした、あるいはしたいと願うカスタマーは多々いるのだろう。
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またジャガー・クラシックからは先日、ル・マン24時間レースでのCタイプの初勝利を称える限定モデル、「Eタイプ ZPコレクション」も発表された。オールトンブルーのドロップヘッドクーペと、クリスタルグレーのフィクスドヘッドクーペの2台1組で販売される、往年のEタイプからインスピレーションを得たというこのシリーズは7組限定。こちらもその争奪戦は激しさを増しそうだ。