カワイイのは見た目だけのヴィッツでした
ラリー競技に参戦したくて、今から3年前にJAF車両規定に合う車種としてトヨタ「ヴィッツ」を選び、購入したと話す“はるえ”さん。可愛らしいクルマとは真逆に走りは荒々しく激しくも抜群にうまいテクニックの持ち主だ。
リボンのカラーリングからは想像できない戦うコクピット
ボディカラーに可愛いピンクのラッピングを施し「ラリーチームきれいどころ」の白い大きな「どどーんリボン」を貼って猛アピールする“はるえ”さんのヴィッツ。国内ラリー仕様として競技規定に合うように可愛くて速い車両を目指して製作。
外観はピンクと白で可愛く仕上げるが、中身はちょっと違っていてロールバーガチガチのハードな作り込み。シートは左右フルバケでブリッドのゼロを装着。リアシートは外して2名乗車化している。
また、トランスミッションはノーマルでクラッチはセラミックメタルカーボン製をセット。男性でも手こずる強化クラッチを難なく操作する。
夜間走行も明るくコース上を照らすように、フロントにLEDライト×2灯を追加。コースアウト時やマシントラブル時は、牽引フックも必須アイテムとなる。ホイールは白いワーク・エモーションZR10で、タイヤはDUNLOPディレッツァ94R(215/45R16)を前後に履く。
このカッコ良いワーク製エモーションZR10は、スペアを含めて8本ほど購入したそうだが、もう残りは4本ほどしか残っていないそう。なぜ少なくなったかはご想像にお任せします、とうことだ。
何度もぶつけても、ゴールしたときの喜びはひとしお
横転時に乗員の安全を保護する目的で、車内にはロールゲージが組みこまれている。助手席にはコ・ドライバー(ラリー競技でドライバーをナビする相棒)が使うラリーコンピュータ、停止時の三角表示板なども車載する。
リアゲートを開けると、スペアタイヤ、車載ジャッキ、工具箱、レーシングシューズ&グローブなどを積載。後席を潔く取っ払った空間は、ロールバーからネットを吊り下げて、脱いだヘルメットやキャップなどを収納するのがラリー車ならではのスタイルだ。
トランク内部にトルクレンチなど工具類、競技で必要な書類なども積んでいる。簡単な整備は自分でこなすという。
最後に思い出深い愛車とのエピソードを尋ねてみた。
「昨年の全日本ラリーで何度もクルマをぶつけてスピン……。悔しかったけど、何とかゴールまで走り切れて嬉しかった」と、苦笑いして話してくれた。
今後のカスタム予定は、まずマフラーを交換。そして内装は女性らしく、もうちょっと可愛くする予定と教えてくれた。