観戦チケットはソールドアウト
今回で101回目を数えるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは、2023年6月25日の決勝を前に、19日(月)に車検からレースウィークがスタート。その後20日(火)から3日間の予選がスケジュールされていた。しかし、予選3日目の22日(木)は霧のため視界不良でタイムアタックが不可との判断から、この日の走行をキャンセル。翌23日(金)に予選最終日を順延し、無事に予選は終了した。
独特の方法で練習走行が行われるパイクスピーク
パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは、アメリカ・コロラド州にある標高4301mのパイクスピークという山への観光道路であるパイクスピーク・ハイウェイを使って行われるヒルクライムレースだ。スタートからゴール地点の山頂までの距離は20km。その初開催は1916年と、インディ500マイルレースに次ぐ世界で2番目に古いレースと言われている。
2022年に100回目の記念大会を行い、今回が101回目となるパイクスピーク・ヒルクライムには、世界から最終的に17名のルーキーを含む66台がエントリー。クラスはエキシビジョン、オープンホイール、パイクスピーク・オープン、ポルシェ・パイクスピーク・トロフィ、タイムアタック1、アンリミテッドの6クラスとなる。以前は2輪部門もあったが、死亡事故が多発したため現在は2輪のクラスは存在しない。
レースウィークに入り、車検を通過した車両は6月20日(火)からパイクスピーク・ハイウェイを使用した練習走行を行うこととなる。午前全長20kmのコースをアッパー/ミドル/ロアと3分割し、エントラントも3グループに分け、3日かけてそれぞれのグループが全セクションを走行する機会を設けている。ちなみにスタートからゴールまでを通して走れるのは決勝日のみとなる。
練習走行は、パイクスピーク・ハイウェイの営業時間前、つまり観光客が入山する前に行われるため、まだ陽も昇らない夜中にチーム関係者は山を上がっていきピットを設営。毎朝午前5時過ぎから午前8時半までの時間を使って走行を行う。
エントラントはスタート地点に並び、出走する全車が1台ずつアタックし、出走車がなくなった時点でコースはクローズされ、アタックを終えた各車がそろって山を下りスタート地点まで戻ることになる。そして全車がコースを下り切ると再びコースはオープンされ、また1台ずつアタックをする。
これを繰り返すわけだが、終了時間は決まっているため、途中でトラブルなどが発生してしまうと走行本数は削られてしまう。ちなみにロア・セクションでのベストタイムが予選タイムとなり、その結果により決勝レースの出走順が決まる。