リアデフを機械式へ……ならいっそホリンジャーのシーケンシャルも?
オーナーの三輪さんはさっそく機械式デフの装着を考え始める。しかし、クルーズの吉川マネージャーからはなかなか厳しい指摘が。
「リアを機械式にするってことは機械式のグレードのリアデフキャリアがないと付かないんですが、これがまたそうそう落ちてないわけですよ。純正部品ももちろん出ませんし。そこを探すところからですね」
現役バリバリとはいえ、20年以上経過しているR34の痛いところでもある。さらに吉川マネージャーが
「デフケースが変わるってことはファイナルギアとピニオンギアも変えなくちゃいけないので、そこも探さないといけません。でも、もしこの先ホリンジャーのシーケンシャルミッションにするとしたら、そのときにまた違ったギア比のファイナルギアとピニオンギアが要るわけです。そうなると二度手間でお客さまの金銭的負担も大きくなってしまいますので……。もうホリンジャーにしちゃいましょうか!」
と言うとオーナーは必死で止める。
「やめろーやめろー、たしかにそうだけどいきなり行くなって。エンジン出来たとこなんだから……」(三輪オーナー)
「でも、リアデフ強くしたいんでしょ」(吉川マネージャー)
「う、うん」(三輪オーナー)
次なるステップへの進化は冬の間にコツコツと
こうして夏は過ぎていく。しかし、北海道の夏は短い。8月の十勝夏祭りが最大のイベントで、そこからお盆をすぎるともう暑さは和らぎ、冬に向かって進んでいく。気温の低いアタックチャンスを狙うのは10月までで、11月となれば厳しい。
となると、シーケンシャルシフト+パドルシフト化はおろか、リアデフの機械式化も今シーズンに間に合うかは微妙なところだが、冬の間にコツコツとクルマを進化させ、春から慣らして夏に成果を出すのが北海道ならではのチューニングカーライフの楽しみ方なのである。