簡単なようで難しい! クラシックカーラリーの世界
2023年5月19日~21日の3日間にわたって開催された「クラシックジャパンラリー2023 横浜 Y164」に参戦(同行取材)してきた。今回は横浜市、鎌倉市、大磯町、箱根町、甲府市、笛吹市、小山町および周辺地域が走行ルートとなった。レポートをお届けしよう。
クラシックカーラリーは2名1チームで参戦する頭脳的なモータースポーツ
エントリー車両は筆者の愛車である1974年式アルファ ロメオ「GT1600ジュニア」。今回も、スタンプポイントを含む全行程を走破しつつ、気になるクルマで参戦しているオーナーを取材した。決められた区間を設定された時間でいかに正確に走行することができるかを競うPC競技(通称「線踏み」。1000分の1秒で計測後、四捨五入により100分の1秒で算出する基準タイム走行)も行った。
あらためて説明すると、クラシックカーラリーは2名1チームで参戦する頭脳的なモータースポーツだ。助手席に座ったコ・ドライバーがルートマップを見て、そこに記された道をドライバーに正確に伝えながら走っていく。ルートマップ(主催者が製作したコマ図)には交差点などの要所のみが書かれた記号と積算距離が記されており、コ・ドライバーがうまくナビゲートしないとすぐさまミスコースにつながってしまう。
ラリーによっては、ルート上に用意された「PC(Prove Cronometrate:イタリア語でタイムトライアルの意)競技」のほか、指定された時刻に計測ラインを前輪で踏みながら通過し、その誤差を競う「CO競技」や、主催者が設定した速度で走行する「アベレージ走行競技」なども実施されている。いずれのシーンにおいてもコ・ドライバーが主役になる。
ちなみに、PC競技の計測は路面に設置されたスタートラインを前輪が通過した瞬間に開始され、コ・ドライバーが秒数をカウントしながらゴールラインを目指している。秒数をカウントするための計測器は年々進化しているが、以前はキッチンタイマーが多く使用されていた。