独自のDLSターボチャージャーで700馬力を発揮
リアに搭載されるエンジンは、もちろん964型911に搭載されていた水平対向6気筒DOHC 24バルブがベースだ。シンガーはそれに独自のDLSターボチャージャーを装着したほか、電動ウェイストゲート、空水冷インタークーラー、水平マウントの電動式ファンなどを装備。さらに3.8Lエンジンはブロックまで分解整備され、最終的には700psを超えるパワーを9000rpm以上で発揮する高性能高回転型エンジンに仕上げられている。トランスミッションは6速MTで、駆動方式はRWDとなっている。
シャシー関連でもレース仕様のサスペンションやリモート操作が可能なアジャスタブルダンパーなど、こちらも幅広いメニューが用意されている。ホイールはフロントが19インチ、リアが20インチの鍛造マグネシウム製センターロック。タイヤはミシュラン製のパイロット・スポーツ・カップ2、もしくはカップ2Rが、カスタマーの志向に応じて装着される。ブレーキはカーボンセラミック・ディスクと軽量なモノブロック・キャリパーの組み合わせを実現。シャシーの強化もまさに万全の備えを見せる。
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前述したとおり、「シンガー911」や「シンガー・ポルシェ」ではなく、あくまでも「リイマジンされたポルシェ911」とシンガーでは表現する世界最高レベルのレストモッド車。この最新作は2023年7月のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード、そして8月のモントレー・カーウィークでオフィシャルに発表される予定だ。そのフィニッシュの素晴らしさに、このイベントを訪れたゲストは、おそらくは一瞬、ただただ言葉を失うに違いない。