2LターボのシルビアK’sよりも速かった
EP82のGTは、先代と同じく2モードターボシステムが採用され、LOモードにすれば最高出力は125psだったが、足まわりの完成度は正直低かった。そういう面では、NA100psのSiの方がバランスのいい走りが楽しめた。さらに面白かったのは、ソレイユ。中期型からEFI仕様になって、エンジンは100ps。車重は740kgと超軽量なので、テンロククラスのスポーツカーをカモれるほどのパフォーマンスを持っていた。しかも新車価格が61万9000円だった。
さらにサスペンションとスタビライザー、スポーツタイヤを入れるだけで、NAの「シルビア」よりも速く走れた。またチューニングで化けるという意味では、ターボの「GT」も大したもので、フニャフニャな足を硬めて、LSDを組んだだけでも筑波サーキットで12秒台をマーク。1.6L最強の「グランドシビック」(EF)どころか、2Lターボの「シルビアK’s」よりも速かった。
さらにエンジンは排気系とブーストアップだけで、180psまでパワーアップすることが可能で、EP82からブレーキが四輪ディスクになったのも、走り屋たちには歓迎できたポイントだった。安くて、軽くて、速くて、イジりがいがあった。そんなクルマに育てられ、モータースポーツの世界にどっぷりはまっていった人たちにとって、EP82は今でも忘れられない1台だ。