30km/h以上の巡航時に活躍
ポイントは大きくふたつ。ひとつはその衝突被害軽減ブレーキ、スバルではプリクラッシュブレーキと呼ぶ。もうひとつが前走車追従機能付きクルーズコントロール(ACC)だ。
まず緊急時のプリクラッシュブレーキだが、MT車でも完全停止までサポートする。MT車の場合、完全停止までブレーキをかけ続けると停止する前にエンジンがストップ(エンスト)する可能性があるが、万が一そうなったとしても完全停止まで作動するという。しかし、停止後は徐々にブレーキが解除されるため、ドライバーがブレーキを保持する必要がある。機能が作動したら慌てずにドライバー自身もブレーキペダルを踏むこと。
そして、前走車追従機能付きクルーズコントロール(ACC)は、MT車では車両側が自動でギアチェンジできないため、走行条件を30km/h以上で走行中かつギアは2速~6速の場合に設定。この条件を満たしていれば、ACCが作動する。ただし、先の走行条件のように全車速対応とはいかず、停止時からの自動再スタートもできない。また、速度が25km/h以下になった場合、ACCは自動でキャンセルされる。
そのほか、クラッチを5秒以上踏み続ける、ギアがニュートラルの状態で5秒以上走り続けるなどした場合も同様だ。ちなみにこれらの機能にはオフスイッチがついており、サーキットなど前走車との車間距離が接近するケースも想定されるスポーツ走行の際には、オフにすることが推奨される。
BRZのオーナーのおよそ6割は、MT車を選んでいるという。積極的に自分でクルマを操りたいと思う一方でアイサイトの評判の高さを耳にするにつけ、できればMT車にも搭載してほしいと思うのもまた当然のことだろう。ACCは、停止と再スタートを繰り返すような大渋滞のシーンはカバーできないものの、30km/h以上の巡航時には相当な疲労軽減につながるはず。また、完全停止までサポートしてくれるプリクラッシュブレーキの存在も心強い。MT派ドライバーにとっても待望の機能に違いない。