今回はタイとラオスが舞台
車いすレーサーとして、長年アジアクロスカントリーラリーに参戦を続けている青木拓磨選手。2023年大会に向け、6月27日(火)、福島県二本松市にあるエビスサーキットで、参戦マシンであるトヨタ「フォーチュナー」のシェイクダウンを行った。
AXCRはアジアの各所を回るラリーレイド
アジアクロスカントリーラリー(AXCR)は、東南アジアを中心に開催されるFIA・FIM公認国際クロスカントリーラリーのひとつ。1996年に初開催して以来、山岳地帯やジャングル、沼地、海岸、砂漠、プランテーション、サーキットなど、アジアの特徴ある地域、路面状況、自然、気候の中で毎年8月に開催されてきた。
これまでタイ、マレーシア、シンガポール、中国(雲南省)、ラオス、ベトナム、カンボジア、ミャンマーなど8カ国を走破してきているが、毎年コース設定も通過国が変わるのもその魅力のひとつといえる。
2020年(第25回)、2021年(第26回)とコロナ禍の影響で開催はキャンセル。3年ぶりとなった2022年の大会は11月に開催日程が大幅に移動されて開催されたが、第28回AXCR2023は従来どおり8月(8月13日~19日)、タイとラオスを舞台に開催となる。
これまでに14回の出場経験を持つ青木拓磨選手
青木拓磨選手は、伝説のライダーといわれる「青木3兄弟」の次男。幼少期に兄弟とともにミニバイクレースに参戦を開始し、1990年に国内ロードレースへデビュー。1995~1996年の全日本ロードレース選手権スーパーバイク・クラスのタイトル連覇後、1997年に2輪ロードレース世界選手権(WGP GP500クラス)に参戦。非力なマシンでの参戦ながらシリーズランキング5位を獲得。
ついにライバルと同じマシンを手にし「タイトル獲得も夢ではない」とささやかれていた翌1998シーズン、開幕前に行われたテスト中の事故で下半身不随となり、車いす生活を余儀なくされてしまう。事故後は、活動フィールドを4輪に移し、車いすドライバーとして活躍。ル・マン24時間レースにも出場経験を持つ。
青木選手がAXCRに参戦を開始したのは、2007年のこと。ハンドドライブ装置を備えた三菱「トライトン」ですでに出場経験のあった三菱自動車/ラリーアートからトライトンを供給されたことをキッカケに、2008年からいすゞ「D-MAX」、2014年からはいすゞ「MU-X」で参戦。これまでに14回の出場経験を持つ。ベストリザルトは2011年の総合3位となる。