ロールを抑えつつ快適なコーナリングが可能に
今回は福島県のエビスサーキット東コースにて試乗の機会を得た。クルマはトヨタ「ヴェルファイア」(30系)、新型「プリウス」、「GR86」、そしてアバルト「595」だ。
どのクルマでもジャーク制御によってフィーリングは高まる。とくにヴェルファイアやアバルト595のような重心の高いクルマの場合、これまでのGに感応した制御でも十分に挙動を抑えられる。
減衰力をふわふわにしておいて、段差やギャップはなめらかにクリア。ブレーキを掛けてコーナリングに移るときはサスペンションがシャキッとしてくれる。それによって重心が高いクルマにありがちなアタマが左右に振られるような動きは出にくい。しかし、曲がっている間ずっと減衰力が高い状態なので、ややゴツゴツ感を感じる場面もある。とくに路面がバンピーなエビスサーキットでは感じやすい。
そこでジャーク制御に変更すると、そういったコーナリング中の安定期では減衰力がスッと弱まるので快適性が高い。タイヤも路面を捉えて離さないので安心感も高くなる。
「こういうときだけちょっと減衰力がソフトになったらなぁ~」という制御ができるようになったのだ。
ジャークと速度とGを複合した高度な制御もOK
ちなみにEDFC5ではGに感応した制御の他に、ジャーク制御、速度に感応した制御もあり、それらをミックスした制御も可能。80km/h以上になったら全体にやや引き締めて、G制御を入れるともっと引き締めるが、ジャーク制御でコーナリング中盤以降はソフトにする、といった高度なプログラミングもできる。
そういった制御まで含めたEDFC5と、今回のテスト車両に使われていたRX1/FLEX Zサスペンションはセットにしても実勢価格で20万円前後。手の届きやすい価格で最新の高度な制御による乗り味を味わうことができるのだ。
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