クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • 日産2代目「フェアレディZ」はただのキープコンセプトではなかった! 80年代的「新時代感」が満載だった「S130」を振り返ろう【カタログは語る】
CLASSIC
share:

日産2代目「フェアレディZ」はただのキープコンセプトではなかった! 80年代的「新時代感」が満載だった「S130」を振り返ろう【カタログは語る】

投稿日:

TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

2シーターと2by2のキャラの違いはより明確になった

実車はS30型と同様に2シーターと2by2のふたつのボディタイプを用意。S30型では両ボディのデザイン上の差は全長、ホイールベースの差とリアクオーターウインドウのわずかな形状の違い、それとリアから見た時のリアウインドウの縦横比の差(2by2は傾斜が立てられより縦長に見えた)など、比較的小さな差だった。

それに対してS130型では、2つのボディのデザインの違いがより明確で、2シーターのリアクオーターウインドウはモールがなくコンパクトだったが、2by2はサイドウインドウモールがリアクオーターウインドウ後端まで伸ばされ、リアクオーターウインドウも2+2のクーペらしく後席がシッカリと見える大きさのものが備えられていた。なおホイールベースはS30型に対して2シーターは+15mmの2320mm、2by2は-85mmの2520mmに設定されていた。

サスペンションはS30型の前後ストラット式の独立から、S130では前:ストラット式、後:セミトレーリング式に。一方で搭載エンジンはS30型が最終型では2LのL20E型(130ps/17.0kgm)の1機種だったのに対して、新たに日本国内仕様にも2.8Lの排気量を持つL28E型(145ps/23.0kgm)が設定された。この2.8Lは「セドリック」/「グロリア」、「ローレル」などにも搭載されたエンジンだった。いずれも当時の昭和53年排出ガス規制に適合、ガソリンタンク容量は80Lとし、S30型の65Lから容量が大きくなった。

Tバールーフやターボもラインナップ

そのほかのトピックとしては1980年11月のTバールーフの設定があった。これは左右分割式のハッチガラスを備えたもので、ノブとレバーの操作で簡単に取り外しが可能。また1981年のマイナーチェンジのタイミングでは、全車にSST(スペースセービングタイヤ)が電動ポンプとセットで標準となり、当初からラゲッジスペースを占領していたスペアタイヤがなくなっている。

それともう1台、モデル末期の1982年10月に、ようやくフェアレディZでは初めてのターボが登場した。日産のターボ車としてはセドリック/グロリア(1979年10月・430型)、「ブルーバード」(1980年3月・910型)、「スカイライン」(1980年4月・C210型)に次ぐ4番目のターボ車で、搭載するL20E・T型は145ps/21.0kgmを発揮。

またこのターボ車には日本車で初めて60プロファイルタイヤが設定され、カタログにも「60プロフィールのスーパーワイド・ポテンザRE86Mと新設計のアルミロードホイール」と紹介がある。タイヤサイズは215/60R15 90H、ホイールは6JJ×15の2ピースタイプだった。

12
すべて表示
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS