長年GT500で勝利を重ねた名門チーム
日本を代表するGTレースとして、海外でも人気の高い「SUPER GT(以下、スーパーGT)」。GT300クラスは国内外のメーカーがしのぎを削っている。世界的に人気のFIA GT3車両をはじめ、JAF-GT、マザーシャシーと3タイプのマシンが混走し、毎戦で激しい戦いが繰り広げられている。今シーズンを戦う27台のなかから、今回は6号車DOBOT Audi R8 LMSで戦う「Team LeMans」を紹介しよう。
GT300クラス制覇を目指して奮闘中
レーシングカーの輸入販売を手掛けるルマン商会のレーシング部門として1969年に設立されたレーシングチーム。1976年から全日本F2000選手権に参戦したほか、その後も全日本F3000選手権、フォーミュラ・ニッポン、スーパーフォーミュラなど国内トップフォーミュラで活躍している。
その一方で、オリジナルモデルで全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権に参戦したほか、1987年からはル・マン24時間レースに参戦するなどプロトタイプのスポーツカーレースにもチャレンジしていた。
もちろん、Team LeMansは全日本GT選手権/スーパーGTでも輝かしい実績を持っており、デビューイヤーの1999年には野田英樹/ワイン・ガードナーがトヨタ・スープラを武器に第5戦の富士でGT500クラスで優勝を果たす。2002年には第3戦のSUGOを制した脇阪/飯田 章がドライバー部門でタイトルを獲得するなど、参戦から4年目にしてチャンピオンを輩出した。
2003年も脇阪/飯田は第1戦の岡山および第3戦のSUGOを制するなど、シーズン最多となる2勝をマーク。その後はしばらく勝利から遠ざかっていたが、2012年の第4戦・SUGOで伊藤大輔/大嶋和也がポール・トゥ・ウインを達成し、9年ぶりの勝利に輝いた。
その後も2013年の最終戦・もてぎで大嶋/国本雄資が優勝したほか、2016年には大嶋/アンドレア・ガルダレッリがランキング2位につけるなど、Team Lemansはトヨタ勢の一角として2019年まで最高峰のGT500クラスで活躍していた。
2020年はスーパーGTでの活動を窮していたが、2021年にGT300クラスで復活。2022年には片山義章が2度の5位に入賞を果たしていたが、2023年はさらなる飛躍が期待できそうだ。
ドライバーは片山/ロベルト・メリ・ムンタンで、マシンはオールラウンダーとしての定評が高いアウディR8を投入。第3戦を終えた現時点でのベストリザルトは第2戦・富士の7位入賞に止まっているが、実力的には上位を狙えるだけに、後半戦では“古豪”の躍進に注目したい。