8代目となるBMW 5シリーズが日本でもついに正式リリース
2023年5月24日、オンライン上で世界初公開されたBMW新型「5シリーズ」は、翌日には初期生産限定モデル「ザ・ファースト・エディション」の購入予約が日本国内市場でも解禁となったのち、7月13日には通常モデルも正式に国内リリースされた。1972年に登場した初代から数えて8代目にあたる新型5シリーズ。その最上級モデルにあたる「i5 M60 xDrive」の全貌を、いち早くご紹介することにしよう。
ついに全長5メーター超え! かつての7シリーズ級に到達した雄大さ
ご存知のとおりBMW 5シリーズはEセグメントに属する、いわゆるアッパーミドルクラスのサルーンとして、メルセデス・ベンツ「Eクラス」とともに覇権を争ってきた。しかしこのほど登場した8代目、G60系5シリーズのボディサイズは、これまでのアッパーミドルの通例を上まわる大型化が図られた。
全長はついに5mを超える5060mmとなったほか、全幅1900mm、全高も1515mmと、従来型G30系より全長で+85mm、全幅+30mm、全高+35mmとそれぞれ大幅に拡大し、先代以前の7シリーズに匹敵するグラマラスボディを得たことになる。そしてホイールベースも20mm延長され、2995mmとなった。
この大型化は、新型7シリーズが身内でもあるロールス・ロイス「ゴースト」にも匹敵するような大型化を図ったことにより、ショーファードリヴン的な用途に振り切った感があることとも無関係ではあるまい。新型5シリーズではオーナードライバー向け、あるいは欧米では重要な市場であるカンパニーカーの最上級モデルを目指した。つまり、かつての7シリーズの購買層もターゲットとしたかに思われるのだ。
ルーミーなキャビンを強調したスタイリングの内側には最新デジタル機能が満載
エクステリアのデザインでは、まずはさらに巨大化し、夜間走行時にはLEDの「アイコニック・グロー」に縁取られるキドニーグリルに目がひかれるだろうが、そのほかにも新型7シリーズと同じくエッジを利かせたショルダーラインや各部のディテールなどの効力で、従来型よりフォーマル感を高めていることがわかる。
くわえて、E12型初代5シリーズで確立し、そののちBMWのデザインアイコンとなった「ホフマイスター・キンク」。Cピラーとリアサイドウインドウの境界線が「く」の字に折り返される意匠はこのG60系でも継承されたものの、ウインドウモール後端をCピラー側に大きく広げた台形状のガーニッシュとすることによって、Cピラーを細く見せている。その結果、生粋のスポーツサルーンであることをプロポーションでも明確に表現していたG30系に対して、ルーミーなキャビンを強調したスタイリングとなった。
いっぽう、インテリアではSDGs時代の要請にしたがい、使用されるマテリアルも再利用やリサイクルを念頭に置いて選定したとのこと。今回初めてi5 M60 xDriveに、サボテンの繊維から採取したという植物性材質の合成レザー「ヴィーガン・インテリア」のオプションが用意されたとのことである。
さらに、BMW最新のインターフェイスに基づくデジタル機能が満載されるのも、8代目における重要なトピックである。
狭い場所でも自動で駐車を行う「BMWパーキング・アシスト・プロフェッショナル&リモートパーキング」、スマートフォンをキー代わりに使用できる「BMWデジタルキープラス」や携帯電話への警告送信機能つきアラーム・システムなど、クラスでも随一というべき豊富なデジタル装備により、ふたたび現在のEセグメントにおける技術的トップランナーに返り咲いたといえよう。