映画『ニューヨーク1997』の舞台となった橋は昼間ならOK
イリノイ州とミズーリ州の境には、もうひとつ危険といわれるポイントがある。セントルイスの中心部から少し北のミシシッピ川に架かる、1929年に建造されたチェイン・オブ・ロックス・ブリッジだ。現在は歩行者と自転車しか通行できなくなっているが、かつてはこの橋がルート66として使用されていた。1630mのコンクリート橋で途中から22度に曲がっているのが特徴で、これは途中の岩盤が不安定なため角度を付けざるを得なかったとか。
1970年に閉鎖され一時は取り壊しが検討されたものの、2006年にはアメリカの国家歴史登録財に指定されている。休日の昼間は川べりでピクニックを楽しむファミリーや、ジョギングやサイクリングで橋を渡る人が集まっており、危険な雰囲気などまったく感じさせないのどかな場所だ。
ただし夕方になればヤバい雰囲気へと一変。私は先達のみなさんに注意されていたので明るい時間帯しか訪れていないが、車上荒らしを目撃したとかクルマを囲まれそうになり慌てて逃げたとか、とにかくロクな話を聞かないので夕方や夜は近寄らないのが無難だろう。
余談だがこの橋はカート・ラッセル主演の映画『ニューヨーク1997』(ジョン・カーペンター監督)で、69thストリート・ブリッジとして使用されている。全島をコンクリートで囲み刑務所と化したマンハッタンで、囚人たちに囚われた大統領を救出するため送り込まれたのが、元特殊部隊員にして終身刑に処せられたスネーク・プリスキン。チェイン・オブ・ロックス・ブリッジでは最後の脱出シーンが撮影され、公開は1981年とだいぶ昔ではあるが現在と同じ橋の姿が確認できる。興味がある人はぜひともDVDなどで観て欲しい。
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