コノリー社製レザーシートを装着
当初の搭載エンジンはアコードにも搭載された1.8L(1750cc)のCVCC。90ps/13.5kgm(マニュアル車)のスペックを持つユニットで、エイトバランスウェイト採用のクランクシャフトの採用を始め、「回転と往復運動部分のバランスを綿密に調整し、振動発生を低く抑え、静かなエンジンとした(ニュースリリースより)」パワーユニットだった。
トランスミッションには5速MTのほか、ATはこの時代のホンダ車らしく★(スターレンジ)付きのホンダマチックが用意された。
それからもうひとつ、装備の話になるが限定生産仕様として本皮革シートの用意があったのだが、これが何とコノリー社製レザーシートだった。カタログの文面には「外国製高級本皮革を使用したシートを別途に用意しました」とだけ書かれているのだが、そのページの写真をよくよくみればフロントシートのサイドに金色の文字で刻印されたCONNOLLYのロゴがしっかりと写っていた。残念ながら筆者はトリコット地の普通のシート表皮の実車にしか座ったことがないが、独特のしっとりとした風合いがプレリュードのパーソナルな室内空間にさぞ合っていたことだろう。
初代プレリュードは海外でも展開され、当時、海外の自動車雑誌でVW初代シロッコとの比較試乗レポートが載っており、ハンドリングの優秀性などが評価されていた。ただし日本市場では爆発的なヒット作だったかというと、必ずしもそうではなかった。「HONDAが走りの質を変えた。ハード・エレガンス感覚──プレリュード。Intellectual Sexy」とは、カタログの差トップにあったコピー。プレリュードの名のとおり、2代目、3代目の人気のまさに前触れ、または道筋を作ったのがこの初代プレリュードだった。