理想形はあるも、狙いはPDK仕様かつ「素」のGT3か？

さて、中古車を買ううえで、豪華なオプション品が付いていればそれはそれでラッキーだが、価格に極端に反映されているのでは困る。私の場合は、GT3にそんな豪華なオプションはいらないから、なるべく安いほうがイイのだ。

もちろん理想はある。乗るなら、MTではなくズバリ電光石火のPDKの一択。コンマ何秒を争うわけではない。断然ラクチンそうだから（笑）。たしかにGT3はGT3RSほどサーキット志向ではなく公道走行志向のモデルだから、タイムアップにつながるPDKではなく、MTのほうがドライブ時には自身で操っている感があって楽しそうである。でも、やっぱりPDKなどポルシェの新しい技術には触れてみたいのだ。しかも圧倒的にPDKのほうが安いではないか。昔は機構的にもコストがかかっているATのほうが高かったのに、いまやMTのほうに値が付くのだから、市場の原理とはいえ、不思議なものである。

軽くてよく利くPCCBは付いているとそりゃいいに決まっているが、私の使い方ではオーバースペック。赤キャリパーで十分です。ボディカラーの理想は、グレーやベージュ系のクレヨンカラーがオシャレでいいなーと思っている。あるいはブルーかシルバー系のメタリック。内装は、ロールケージでリアスペースが使えないクラブスポーツ仕様よりも、荷物が積めそうなフツーの内装が理想である。ロングドライブにも使いたいからだ。

でも、シートはスポーツシートプラスではなくスポーツバケットシートか上下調整可能なフルバケットシートはあえて欲しい。なぜなら初回でお伝えしたようにレーシングっぽい雰囲気はやっぱり憧れだし、スポーツ走行もしてみたいから。そのほかにあるといいのはリフターくらいだろう。なので、それ以外のオプションにはこだわってはいない。

でも、市場を見渡すとそんな都合のいい物件はなかった。豪華快適仕様で価格お高目のGT3が多数派なのである。見えてきたのはオーダーメイドで新車を購入したオーナー像。走りだけでなく快適さや質感にもこだわる人が多かったということだ。私の場合は、昔のナナサンカレラでいえば充実装備の「ツーリング（M472 ）」ではなく、ムダのないライトウェイト仕様の「スポーツ（M471）」がいいのだ。そんなムダのない「素」のGT3はきっとどこかにあるはず、と信じ、また日々中古車サイトを巡るのだった。

もしかしたら、992など新車購入が動き始めているから、991後期型GT3がさらに下取りに出るような動きがあるのではないか？　とこれまた淡い期待を寄せて、何件か近郊のポルシェセンターにも問い合わせてみたが、どこも「うちのお客さんでも欲しいという方が何人もおりまして、こちらでも探しているくらいなんです。すみませんねぇ」と丁寧に一蹴される始末。1件、たまたま入庫した991前期型RSを紹介されたが、RSは私には過激すぎる。というか約2500万円とまるでムリ。

もはや、991前期型GT3を丁寧に、慎重に探すしかないか！　と半ばあきらめかけていたそのとき、突如、1台の後期型GT3が現れたのだった。

＊　＊

アラカンのおっさんが見つけた羽根付き911。買うのか、まだまだ悩むのか？　もうここまできたら思い切ってイッちゃうしかないんじゃないですか？

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