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ロッド・スチュワートの「カウンタック」は屋根なしでは!? ポロストリコでレストア済みは約1億6000万円でした

ロッド・スチュワートの「カウンタック」は屋根なしでは!? ポロストリコでレストア済みは約1億6000万円でした

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

ファーストオーナーは世界的なミュージシャン

今回RMサザビーズのヴィラ・エルバ・オークションに出品されたモデルは、そのカウンタックのファーストモデルLP400の1台だ。ちなみにカウンタックは、このLP400を原点に、LP400S、LP500S、5000QV、アニバーサリーへと進化を続けるが、LP400は最初期のモデルということ、そして生産台数がわずかに157台であるということなどを理由に、最も人気の高いモデルとなっている。

外観では後のモデルで装着されるオーバーフェンダーやリアウイングなどを持たず、最もプレーンな印象を抱く1台で、逆にルーフ中央には室内から後方の視界を得るための、ぺリスコピオと呼ばれる窪みが設けられているのも特徴だ。

ヴィラ・エルバ・オークションに登場した、シリアルナンバー1120262のLP400は、ランボルギーニ・ポロストリコの記録によれば1977年6月にサンタアガタの本社工場から出荷されたもの。オーストラリア向けに製作されたため右ハンドル仕様となっているのが大きな特徴だ。

ちなみにオーストラリアで、ロッソのボディカラーとタバコのトリムで彩られた、このLP400の納車を待っていたのは、世界的なミュージシャンとして有名なロッド・スチュワート。彼はのちにロサンゼルスへと渡り、そこをベースにミュージシャンとしての活動を続けるが、その間にフルワイドボディキットの装着や、タルガルーフへの改良などを行った。さらに1987年にはイギリスへと持ち込まれ、2002年に売却されるまでの25年間、このLP400はスチュワートの所有するモデルだったのだ。

ランボルギーニ カウンタックLP400

セカンド・オーナーはボディのモディファイはそのままに、エンジンのオーバーホールや左ハンドルへの変更などを行ったと考えられているが、2013年にはパリのディーラーを通じて再び新たなカスタマーに売却。彼は2022年、ランボルギーニのポロストリコにLP400を入庫し新車時の状態に。

つまりペリスコピオやルーフを再現することに始まり、エンジンやブレーキ、電気系統、ギアボックス、ステアリングなどの整備を依頼した。総額で6万500ユーロの資金を投じてコンディションを回復している。

ファーストオーナーをはじめ、そのようなヒストリーがどのように影響するのか。オークションでの興味はその一点に集中したといってもよいが、結果的に落札価格は98万9375ユーロ(邦貨換算約1億5263万円)という結果に達した。カウンタックのオークション価格高騰は、LP400を中心にまだまだ続きそうな気配である。

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