耐久レースを得意とする実力派チームがGT300クラスに挑戦中
日本を代表するGTレースとして、海外でも人気の高い「SUPER GT(以下、スーパーGT)」。GT300クラスは国内外のメーカーがしのぎを削っている。世界的に人気のFIA GT3車両をはじめ、JAF-GT、マザーシャシーと3タイプのマシンが混走し、毎戦で激しい戦いが繰り広げられている。今シーズンを戦う27台のなかから、今回は48号車 植毛ケーズフロンティアGT-Rで戦う「NILZZ Racing」を紹介しよう。
上位に食い込む実力は十分にある!
栃木県に拠点を置くNILZZ Racingはワンメイクレースやスーパー耐久で活躍してきたチームで、48号車「植毛GT-R」の車両メンテナンスおよびレースオペレーションを担うべく、2019年よりスーパーGTに参戦。以来、ニッサンGT-R NISMO GT3を武器に激戦のGT300クラスにチャレンジしている。
GT300クラスは世界的に見ても激戦区であることから、プライベーターには過酷なシリーズで、NILZZ Racingも苦戦の展開を強いられてきた。
2023年のドライバーラインナップは2018年からコンビを組んできた井田太陽/田中優暉。チーフエンジニアも2012年から48号車を担当してきた佐藤賢二と、ソフト面に関しては熟成の体制を継続している。
さらに、マシンは完成度の高いGT-Rを引き続き採用するほか、タイヤはGT-Rとの相性の良いヨコハマを採用するなど、ハード面においても実績のあるパッケージとなっているだけに、コンディション次第では上位進出を果たせることだろう。
予選でのスピード不足は否めず、ここまでの3戦のベストリザルトも開幕戦・岡山の19位に留まっている。だが、脱落者が続出するサバイバルレースで粘り強い走りをすることができれば十分に入賞する可能性はある。
2017年に登場した「植毛GT-R」は、すでにGT300クラスの名物車両として定着した感があるだけに、プライベーターチームがどこまで強豪のライバルチームに食い込めるのか、中盤戦以降も48号車の奮闘に注目したいものだ。