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「アバルト595」が驚くほどなめらかな乗り味に! TEIN新発売サスペンションと「EDFC5」がもたらす別次元の走りとは

「アバルト595」が驚くほどなめらかな乗り味に! TEIN新発売サスペンションと「EDFC5」がもたらす別次元の走りとは

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TEXT: 加茂 新(KAMO Arata)  PHOTO: 宮越孝政/TEIN

人気のホットハッチ、アバルト595にTEINが参入

パーツメーカーやスペシャルショップが、自慢のアイテムや技術を惜しみなく投入しているのが「デモカー」。それぞれどんなコダワリを投入しているのか、そして実際のところ、純正スペックと比べて何がどう変わっているのか? チューニングライター加茂 新が試乗してレポート。今回は、国産チューニングパーツメーカーが次々とパーツ開発に参入して話題の「アバルト595」だ。TEIN(テイン)からも新開発サスペンションが2023年6月28日に発売。その市販ベースモデルに乗ってみた。

TEINの車高調FLEX Zにアバルト595用が新登場

アバルト595は現在話題沸騰中のイタリアン・ホットハッチ。1400ccエンジンにターボを組み合わせてフロントタイヤを駆動し、小さなボディながら熱い走りを見せる。フロントサスペンションはストラット式。リアはトーションビーム式だが極めてストローク量が短く、ダンパーは斜め45°くらいに前傾して取り付けられる特異なレイアウトとなっている。短いホイールベースと特殊なサスペンションレイアウトを、ノーマルでは驚くほどのハードな味付けでなんとかまとめている感じだ。

車高調で車高を下げてさらにサスペンションのストローク量を短くすると、かなりハードな乗り味のアバルトができあがってしまう。それならとソフトにまとめようとすると、なまじエンジンパワーがあるのでフル加速時にはウイリーするんじゃないかと思うくらいリアが沈み、ブレーキングするとフロントがドカンとフルストロークする、これまた乗りにくい595が完成してしまう。

そこでTEINはアバルト595の足まわりの特性を理解したうえでサスペンションを開発した。製品は「FLEX Z」で、複筒式のストリート向けモデルで乗り心地の良さが特徴。それでいてミニサーキットレベルまでは十分に楽しめると人気のモデルだ。

バネレートはフロント5.0kgf/mm、リア5.4kgf/mmと、ノーマルに比べてさほど変わらないレートである。試乗したのエビスサーキット・東コース。峠のようなアップダウンのあるコースで、路面も決して綺麗ではないのでしなやかさが問われるコースだ。

「ジャーク制御」が加わったEDFC5の減衰力自動コントロール

減衰力調整は電動リモート減衰力コントローラー「EDFC5」を使うことで、減衰力調整幅を16/32/64/96段階に任意で分けることができる。試乗車では最も細かい96段階に設定されていて、その約半分の50段をベースにセット。そこからEDFC5の特徴である速度やGに応じて減衰力を強めたり弱めたりする機能を使って、姿勢をフラットに保っていく。

さらに最新のEDFC5から搭載された「ジャーク制御」による減衰力調整も使ってアバルト595をコントロールしていくことが可能となった。ジャーク制御とは、加速度の変化量=ジャーク(躍度や加加速度とも言う)をもとに姿勢変化が起きる際、予測して減衰力をコントロールする機能である。

これまでもTEINの自動減衰力調整機構EDFCシリーズではGに応じて減衰力を高める機能が好評だった。ブレーキングしたらフロントサスを締め、曲がるときはアウト側のサスペンションの減衰力だけを強めることで、クルマの姿勢を安定させることができる。それでいて巡航時は減衰力をソフトにして乗り心地よく走れるのが魅力だ。

だが若干の問題があるとすれば、高速道路のループや曲率の大きなコーナーなどコーナリング時間が長いとき、横Gが発生して減衰力を高めるのはいいが、ある程度姿勢が落ち着いても減衰力は締まったままなので、やや乗り心地がハードに感じることも。また、サーキットなどではコーナリング中にずっとサスペンションが硬めになることで、コーナリング中のギャップでタイヤが路面を捉えにくくなることがあった。

そこでジャーク制御では横Gなどが強く発生していてクルマの姿勢が変化していく途中は減衰力が高くなる一方、姿勢が落ち着いたらスッと減衰力を弱めることができるのだ。この機能によってブレーキングから起きるノーズダイブ時だけはフロントサスが引き締められ、いざ姿勢が落ち着いた減速後半にはサスが再び動きやすくなって路面を捉えることが可能になったのだ。快適性も路面を捉える性能も高まった。

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