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最新モデルで100周年のル・マン24時間レースへと向かう、フェラーリのロードツアーに参戦!

最新モデルで100周年のル・マン24時間レースへと向かう、フェラーリのロードツアーに参戦!

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TEXT: 西川 淳(NISHIKAWA Jun)  PHOTO: Ferrari S.p.A.

マラネッロからル・マンへ。1200キロの応援ツアー

レースの始まる3日前の朝、私はマラネッロのフェラーリ本社工場にいた。旧正門を入ってすぐ、建物に囲まれた一角はエンツォ時代の面影をよく残すエリアだ。そこに最新ラインナップのロードカー、「プロサングエ」や「296」シリーズが用意されていた。世界から集まったメディアがそれらに分乗し、フランスはル・マンまでの1200km強を1泊2日で走るという応援ドライブツアーである。

私はクルマオタク(愛車はラーダ「ニーヴァ」とポルシェ「944」)の若いカナダ人新聞記者と一緒に赤い「296GTB」に乗り込んだ。499Pと同じV6ツインターボ+ハイブリッドの最新モデルである。モデナでアウトストラーダ(イタリアの有料高速道路)に入り、ミラノ・トリノ方面を目指した。午前中に400km、午後にはフランスに入る計算だ。

イタリアの高速道路はモデナ〜ミラノ間の「ひまわり1号線」を除くととても走りやすい。制限速度はおおむね130km/hだが、追い越し車線はそんなもんじゃなく、不用意にその辺りの速度域で巡航しようものなら、あっという間にパッシングを食らう。それでも居座るとテール・トゥ・ノーズ。日本の「煽り運転」など可愛らしいと思える状況だ。

警察に止められた理由とは

296GTBはV8ミドシップモデルに比べて少し重くなったとはいうもののホイールベースは短く、よりパワフルでリアルスポーツなイメージが勝っている。けれどもドライブモード(マネッティーノ)をWETにダイヤルして走れば、これがじつによくできたグランドツーリングカーに転じるから面白い。ハンドルはどっしりと安定し、バンピー路面対応の足まわりとなって、乗り心地も上々だ。運転を代わって助手席に移るとすぐ爆睡できるほど。

トリノを過ぎるとまだ雪を戴くアルプスの山々が見えてくる。青い空、白の混じった山々、そして新緑。フェラーリで走らずともうっとりしてしまう。

マラネッロからちょうど400km。ランチポイントに設定されたイタリア最西端の村(コムーネ)、バルドネッキアまであと50kmくらいというあたり、高速道路の料金所を出たところでポリツィアに停止を命じられた。ん? スピード出しすぎたか?

笑顔で警察官が寄ってくる。一応、車検証を見せろという。チェックを終えた彼らは正直にこう言った。「クルマを見たかったんだ」。なんだ、びっくりさせるんじゃないよ! 呆れたけれど、クルマ好きとはそういうもの。エンジンを吹かして出て行け! と煽る警察官。お望みどおり、レースモードでTCSオフにして尻を振りながら加速した。

ル・マンまで最後の400キロで最高速チャレンジ

午後、有料の長いトンネルを抜けるとそこはもうフランスだ。オートルートをさらに西進し400km先のクレルモン・フェランを目指す。そう、ミシュランの本拠地がその日の宿泊地であった。

ミシュランとフェラーリとの付き合いは古く、F1はもとよりロードカーでも60〜70年代に供給したほか、最近では「458イタリア」以降のロードカー用タイヤも共同で開発する。ロードカー用タイヤの開発期間は9カ月とスピード重視。ミシュラン開発陣がマラネッロに出向くことはもちろん、最近ではシミュレーションを使ってより早く精度の高い開発を行えるようになった。

翌日の午前中。ミシュランR&D開発センターでタイヤの最前線を学んだのち、ル・マンまで最後の400kmを走る。フランスの高速道路もまた空いているものの、最高速度は120km/h制限が多く、スピードカメラも散見される。それでも目の前に誰もいなくなれば296の実力を試してみたくなるのがクルマ好きの情というものだ。同乗したカナダ人は公道での個人最速記録を更新したと喜んでいた。私は寝ていて知らなかったけれど。

夕刻、ル・マン郊外のシャトーに到着する。そこにはモニターが設置され、ちょうど最後の予選「ハイパーポール」が始まるという絶妙のタイミングであった。

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