過去最大の参戦台数で大賑わい
東北のサーキットで行われる軽自動車モータースポーツの祭典、東北660シリーズが2023年6月25日に福島県のエビスサーキット東コースで開催された。今回は新規格NAの「東北660選手権・第2戦」を筆頭に、過給器が付いたマシンによる「東北660ターボGP・第2戦」と、昨年からスタートした「東北660・HA36カップ」の3本立てだ。エントリーは全カテゴリー合計で過去最多の89台に達し、パドックは全国から集まった軽自動車で埋め尽くされた。各レースの模様をレポートしよう。
エントリー台数増加でターボGPが独立
まず東北660ターボGPは初めてホンダ「S660」の独立クラスが成立。数年前から同じ型式の車両が5台いれば通常のクラスと別に、独立クラスを設け表彰も個別に行う規則としていたが、過去に成立したことがあるのはHA36「アルト」のみだった。
発起人は埼玉のプロショップ「オートクラフト」で、代表を務める#19日向繁美が記念すべき初代チャンプに輝いた。1クラスは常勝の#880金澤延行が今回もポール・トゥ・ウィン。大激戦の3クラスは#89松山雄大の追撃をなんとか振り切り、S660クラスを制した日向がこちらでも頂点に立った。
そのほかのトピックとしては、#58田中優馬のスーパーチャージャー仕様「ムーヴ」だ。トールワゴンは車重やボディ形状のせいで不利なのは否めないが、ベース車は中古車市場にも多く存在し、ターボGPはチューニングの自由度も高い。台数が増えればトールワゴン専用のクラスの設立、という可能性も大いにあり得る。
手軽な2ペダルのエントリーも増えたHA36カップ
続いては今シーズンの開幕戦だった東北660・HA36カップ。予想どおりエントリーは大幅に増え16台、うち9台が2ペダルのAGSというのも興味深い。5速MTの1クラスで優勝したのは東北660シリーズを象徴する若手ドライバーのひとり、#920茂木大輝が#83小松日高とのデッドヒートを制してポール・トゥ・ウィン。3位はようやく車両が仕上がったと#888姉・珍で、大ベテランの巻き返しが期待されるところだ。
注目の2クラスは昨年のチャンピオンカーに乗る、#440塩野力也が初参戦にしてポール・トゥ・ウィン。東北660選手権でも好成績を残している実力のあるドライバーだが、MTからAGSに乗り換えてすぐ結果を出すのはさすがというしかない。なお2位は#47椎名栄一郎で3位は#8猪又真輝という結果だった。