強さと速さを兼ね備えた名門チーム
日本を代表するGTレースとして、海外でも人気の高い「SUPER GT(以下、スーパーGT)」。GT300クラスは国内外のメーカーがしのぎを削っている。世界的に人気のFIA GT3車両をはじめ、JAF-GT、マザーシャシーと3タイプのマシンが混走し、毎戦で激しい戦いが繰り広げられている。今シーズンを戦う27台のなかから、今回は60号車Syntium LMcorsa GR Supra GTで戦う「LM corsa」を紹介しよう。
熟成が進むGRスープラで戦いを挑む
大阪トヨペットグループを母体とするチームで、2014年にスーパーGTへの参戦を開始。当初の主力モデルはBMW Z4 GT3で、第6戦の鈴鹿では飯田 章/吉本大樹/佐藤晋也の60号車が初優勝に輝いた。
2015年はマシンをレクサスRC F GT3に変更したものの、開幕戦・岡山での10位がベストリザルトに留まった。
それでも、LM corsa は2016年の第6戦・鈴鹿で4位につけたほか、2018年に第4戦のタイで3位に入賞。2019年の第6戦・オートポリスでは吉本/宮田莉朋が勝利を飾るなど、着実にリザルトを重ねてきた。
2021年にマシンをGRスープラへスイッチすると、吉本/河野駿佑が第2戦および第8戦の富士を制覇している。計4戦で無得点レースを演じたことから、ポイント争いではドライバー部門/チーム部門ともに3位と惜敗したが、それでもシーズン最多となる2勝をマークした。
残念ながら2022年は目立った成績を残せず、ベストリザルトは第4戦・富士の4位に留まることとなったが、LM corsaはGT300クラスにおいて名門と呼べる存在となっており、2023年もトップ争いを左右するに違いない。
2023年もドライバーのラインナップは吉本/河野のゴールデンコンビで、主力モデルのGRスープラも抜群の完成度を誇る。監督はドライバーとしても実績豊富な飯田、チーフエンジニアは監督としての経験も豊富な小藤純一と、マネジメントは充実した顔ぶれ。ダンロップのGTA-GT300用タイヤも進化しているだけに、コンディション次第では予選/決勝ともに60号車がトップ争いを支配するはずだ。
残念ながら開幕戦の岡山は8位に終わったほか、第2戦の富士は23位、第3戦の鈴鹿は7位でチェッカーを受けるなどポディウムフィニッシュは果たせていない。だが、岡山では予選19位から猛追を見せ、11ポジションアップを果たすなど持ち前の強さは健在であるだけに、予選で上位につけることができればトップ争いを演じることだろう。
ドライバー、マシン、チームともにパフォーマンスが高く、サクセスウエイトも少ないだけに、シーズン後半戦ではLM corsa の60号車が台風の目となるに違いない。