日本市場へ12年ぶりに新型投入!
三菱自動車のピックアップトラック「トライトン」が6代目へとフルモデルチェンジを受け、2023年7月26日にタイのバンコクで世界初披露された。その新型トライトンは、約12年ぶりとなる日本市場への投入もアナウンスされている。そもそもトライトンとはどんなクルマなのか。現時点で発表されている情報を整理してみよう。
タイ・バンコクで鮮烈デビュー! 日本でも大ヒットな予感
トライトンはASEAN&オセアニアを中心とした、海外で根強い人気を誇る1トン級ピックアップトラック。かつて日本でも販売されていたこともあり、乗ったことがある、見たことがあるという方も多いだろう。
タイで発表された新型は数えて6代目となるモデル。商品コンセプトは「Power for Adventure」で、働くクルマとしてだけでなく、遊びグルマとしてのピックアップトラック・ニーズをも満たす、ワイルドなスタイリングが印象的だ。
三菱車の共通アイコンである「ダイナミックシールド」を、より立体的に表現したエクステリアデザインのコンセプトは「BEAST MODE(勇猛果敢)」。上級グレードでは1930mmという余裕のボディ幅を活かして、フェンダーとキャビンに明確なコントラストをつけ、ピックアップらしいタフネスを表現している。
「HORIZONTAL AXIS(ホリゾンタル・アクシス)」をコンセプトとしたインテリアは、水平基調のインパネを採用して視認性も抜群。さらに手袋をしたままでも操作しやすいスイッチやセレクター、ダイヤルなど機能性もこだわっている。その使いやすさには「MITSUBISHI TOUCH(三菱タッチ)」という独自思想が込められているという。
三菱らしい電子制御の塊で上級グレードの高性能は見逃せない
最大の注目ポイントはメカニズム。ご存知のとおり、三菱はルノー・日産とアライアンスを組んでいるが、トライトンについては完全に三菱オリジナルのハードウェアとなる。
シャシーは新開発したラダーフレームで、サスペンションも悪路走破性を考慮。エンジンは最新世代の2.4Lクリーンディーゼル「4N16」型となり、最高出力150kW(204ps)、最大トルク470Nmというのが最強スペックだ。トランスミッションは6速ATと6速MTとなり、ローレンジを持つ4WDシステムも設定する。
4WDシステムはシンプルな「イージーセレクト4WD」と、電子制御を盛り込んだ「スーパーセレクト4WD-II」の2種類を用意。後者では後輪駆動からデフロック&ローレンジ4WDまで4種類の駆動パターンが選択でき、スノーやマッド、ロックといった各駆動パターンに合わせたドライブモードが全7種類から選択可能となっている。
スーパーセレクト4WD-IIには、「ランサーエボリューション」でもおなじみのAYC(アクティブヨーコントロール)が備わるという。4WDの駆動配分は前40:後60が基本となり、ピックアップトラックでありながらスポーツドライビングも期待できるわけだ。
新型トライトンの先進運転支援システムについては、衝突被害軽減ブレーキや追従クルーズコントロール(ACC)、後方の車両検知警報システムなどを備えているという。全長5.3m超、全幅も1.8mをゆうに超える巨体は乗り手を選ぶかもしれないが、先進運転支援システムの充実ぶりやダブルキャブの余裕の室内スペースを考えると、十分に乗用ユースも含めた遊びグルマとしてニーズを満たしてくれることだろう。
現時点で日本国内におけるピックアップトラック市場はトヨタ「ハイラックス」の独壇場だが、それゆえに海外ほど盛り上がっていないキライもある。新しくなったトライトンが日本で発売されれば、ピックアップ市場そのものが拡大し、新しいクルマ遊びのパートナーになる未来が見えてくることになるかもしれない。
さらに現行モデルがアジアクロスカントリーラリーで活躍していることを考えるとスポーツ性を追求するのは自然な話で、その流れの先には「ラリーアート」仕様を想像してしまうのは気の早い話だろうか……。
AMWのミカタ
新開発のラダーフレームを利用して、さらに新型車のラインアップを充実してくれるのではないだろうかと期待するのは、少しばかり早計であろうか。その新型車というのは、もちろん「パジェロ」である。SUVブームが世界的となっているいま、かつてのアイコン的な存在の復活を待望している人は多いはず。「デリカミニ」で、三菱ブランドがいかに競争力があるかがわかったいま、パジェロをリブランディングする絶好の機会と考えるのは、AMWだけではないはずである。