数多くの勝利を挙げてきた名門チーム
日本を代表するGTレースとして、海外でも人気の高い「SUPER GT(以下、スーパーGT)」。GT300クラスは国内外のメーカーがしのぎを削っている。世界的に人気のFIA GT3車両をはじめ、JAF-GT、マザーシャシーと3タイプのマシンが混走し、毎戦で激しい戦いが繰り広げられている。今シーズンを戦う27台のなかから、今回は65号車LEON PYRAMID AMGで戦う「K2 R&D LEON RACING」を紹介しよう。
2度目の戴冠に向けて戦いを挑む
K2 R&Dを母体とするレーシングチームで、ライフスタイル誌『LEON』とのジョイントプログラムにより、2013年からLEON RACINGとしてスーパーGTのGT300クラスへの参戦を開始。マシンはメルセデス・ベンツSLS AMG GT3で黒澤治樹/黒澤 翼/中谷明彦が第5戦の鈴鹿で3位入賞を果たすなど、デビューイヤーからポディウムフィニッシュを達成していた。
2014年も第4戦のSUGOで黒澤兄弟の65号車が2位につけたほか、2015年の第4戦・富士では黒澤/蒲生尚弥が2位に入賞。さらに主力モデルをメルセデスAMG GT3に変更した2016年には、黒澤/蒲生が開幕戦の岡山で初優勝を獲得するなど、LEON RACINGの65号車はGT300クラスで輝かしいリザルトを重ねていった。
その後も2017年には黒澤/蒲生が第6戦の鈴鹿、第8戦のもてぎを制するなど2勝をマークするものの、ポイントスタンディングは2位で終えることとなった。
しかし、2018年は着実にポイントを重ねたほか、最終戦のもてぎを制したことで黒澤/蒲生がドライバー部門でチャンピオンを獲得。もちろん、LEON RACINGもチーム部門を制し、2冠を達成した。
こうして名実ともにGT300クラスの頂点に上り詰めたLEON RACINGは、その後も「常勝チーム」としてGT300クラスで上位争いを展開している。2019年は未勝利に終わったが、2020年は蒲生/菅波冬悟が第4戦のもてぎを制覇。2021年以降は勝利から遠ざかっているものの、2022年も蒲生/篠原拓朗が2度の3位入賞を果たした。
まさにLEON RACINGはGT300クラスにおいて上位争いを左右する存在となっているが、2023年も65号車がリザルトの鍵を握るに違いない。
まず、スピードと安定感を併せ持つ蒲生/篠原が引き続きドライバーとして起用されたほか、マシンも完成度の高いAMG GT3を継続。タイヤは予選のタイム争いはもちろん、決勝のロングランでも素晴らしいパフォーマンスを発揮するブリヂストンで、どのラウンドでも攻略可能だろう。
事実、開幕戦の岡山では予選でトップタイムを叩き出し、ポールポジションを獲得したほか、決勝でも2位入賞。中盤戦で勝利を飾ることができれば、そのまま漆黒のAMG GT3が自身2回目のタイトル獲得に向けて突き進むに違いない。