長距離を走ってもストレス&疲労感はゼロ!
メルセデス・ベンツは、現在、電気自動車のフルラインアップ化を進めており、すでにEQA、EQB、EQC、EQEセダン、EQSセダン、EQS SUVをリリース。EQE SUVも日本導入予定だ。この中でBEV専用プラットフォームのEVA2を採用しているのが、EQEセダン、EQSセダン、EQS SUV、そして、EQE SUVという4モデルで、電気自動車の購入を考えているBEV好きから新しいアーキテクチャーの使い勝手のよさや乗り味が注目されている。
今回は急速充電だけを実施しイベントをサポート
EQシリーズの各車は、まだまだ街中で実車を見かける機会が少ないが、去る2023年5月19日~21日までの3日間にわたって開催された「クラシックジャパンラリー2023 横浜 Y164」のイベントサポートカーとしてミドルサイズセダンのEQE 350+が活躍。横浜市、鎌倉市、大磯町、箱根町、甲府市、笛吹市、小山町および周辺地域がエントラントの走行ルートとなったが、前日設営などが必要となるイベントサポートカーのEQE 350+は600km以上を走破した。この距離およびイベントを支える裏方としての重要な役目をわずか3回の充電で完走したのだ。
EQEセダンは普通充電(AC200V)と急速充電(CHAdeMO)に対応した充電システムを搭載しており、今回は急速充電だけを実施した。充電に至った流れは、下記のような感じとなる。
まず、5月18日にラリーのEQE 350+担当スタッフが港北にてバッテリー残量100%状態で借り、この時点での航続距離は600km以上と表示されていた。山下ふ頭を経由し、スタッフが自宅に乗って帰ったルートでの総走行距離は約32kmだった。
ラリーの初日となる5月19日は、スタッフの自宅をバッテリー残量94%で出発。山下ふ頭→横浜元町ショッピングストリート→富士スピードウェイホテルというルートを走り、その後、設営目的で甲府まで移動。作業完了後に御殿場のホテルに戻り、この日の総走行距離は約295kmであった。
甲府から御殿場に戻った時点でバッテリー残量が39%だったが、翌日も甲府まで行くのでスタッフは迷うことなく充電することを決意。日産自動車 御殿場萩原店にてCHAdeMOを利用して1セット/30分間を充電し、地元ナンバーの日産リーフが充電待ちをしていたので2回目は断念した。
近くのコンビニエンスストアにあるCHAdeMOに移動し、2セット目の充電を実施。2回/計60分の充電で、バッテリー残量は77%まで回復した。この後、3回目の充電をするために再び日産自動車へ向かうと地元ナンバーのサクラが充電していたのでまたもや断念。担当スタッフによると、日産の充電器は他の充電スポットと比較すると充電スピードが少し早いので、地元のEVユーザーから人気があるそうだ。
リア・アクスルステアリングの採用もありストレスフリー
ラリーの2日目となる5月20日は、ホテルをバッテリー残量77%で出発。御殿場から山梨県にあるワイナリーまで高速道路を利用して最短距離で向かい、抜群の直進安定性で走行することを確認した。甲府市内を通過し、市街地走行も体験したが、スタッフ曰く「リア・アクスルステアリングの恩恵で、狭いコンビニでの駐車やUターン時など、大きな車体からは想像できないほど小回りが利きました。まさにストレスフリー!」だったそうである。
このリア・アクスルステアリングは、約60km/h以下での走行時に前輪と逆方向に後輪が切れ、駐車時やUターンの際の取り回しやすさや思いのままの俊敏なコーナリングを実現。約60km/h以上での走行時は、前輪と同じ方向に後輪が切れ、安定性の高い高速コーナリングやレーンチェンジを可能とするものだ。
山梨市も走ったこの日の総走行距離は約205kmで、ホテルがある御殿場に着いた段階でのバッテリーの残量は35%であった。昨日と同じCHAdeMOがあるコンビニエンスストアへ向かい、1セット/30分の充電で59%まで回復。翌日が最終日なので、もうそれ以上は充電しなかった。
ラリーの最終日となった5月21日の総走行距離は約109kmだった。御殿場から東名高速を使って横浜元町ショッピングストリートへ向かい、その後、表彰式の会場となるホテルに移動。表彰式を終えて撤収し、別のスタッフ2名をそれぞれの自宅に送り届けた後、EQE 350+担当スタッフが帰宅したときのバッテリー残量は32%であった。帰宅後に充電せず、5月22日に返却した際のバッテリー残量は18%で、EQE 350+はイベントサポートカーとしての役目を見事に果たしてくれた。
イベントサポートカーとしての導入もあり!
EQE 350+担当スタッフは、昨年、九州でお借りした別の電気自動車での苦い経験から、今回のBEV導入に際してプレッシャーを感じていたらしいが、EQE 350+は満充電での航続距離が600km以上あり、電池残量の心配からすっかり解放されたそうだ。そして、電子デバイスのおかげで、狭い場所での取り回しや高速移動など、運転のストレスを感じるシーンも無かったとのこと。
九州の4日間と横浜の3日間のイベントでは、移動距離や充電スポットの違いなど、使用環境が大きく異なるため比較することは難しいが、3日間にわたってクラシックカーラリーにて運用する中で、イベントサポートカーとしてEQEを導入することはかなり期待が持てることである、と感じたそうだ。
EQE 350+は静かで乗り心地がよく、非常に快適で速いクルマなので、3日間を通して運転の疲労に関してはほとんど感じなかったらしい(充電の心配こそあったが……)。内燃機関のクルマとは一線を画すBEVも、どんどん進歩しているのであった。