趣味心を満たしてくれる仕上がりだった
世界規模でのSDGsムーヴメントの中、二酸化炭素低減への手立てとしてバッテリーEVやプラグインHVばかりにスポットライトが当てられがちな昨今。仏ルノーが打ち出してきた新機軸「E-TECHフルハイブリッド」は、今さら感のあるフルハイブリッドながら、まったく新しい発想をもって、まだまだ従来のハイブリッドにも伸びしろがあると示した。日本ではクーペSUVの「アルカナ」から先行上陸。その後コンパクトハッチの「ルーテシア」、コンパクトSUVの「キャプチャー」も続々とデビューを果たし、国内でも着実にファンを増やしてきたようだが、さらにこの夏、末弟のルーテシアE-TECHにも新グレード「エンジニアード」が追加設定された。AMWでも、いち早くテストドライブを行うことにした。
よりクールビューティになったルーテシアとは?
2023年6月29日に正式リリースされたルーテシア エンジニアードE-TECHフルハイブリッドは、2022年から国内導入されていた標準型ルーテシアE-TECHをベースとして、主にコスメティック系のモディファイを施したモデルである。
ボディカラーは、モノトーン系のみの2色を設定。いずれも「ブリリアントブラック」で仕上げた前後エンブレムとフロントグリルガーニッシュを装着するとともに、「F1ブレード」と呼ばれるフロントスポイラーのフィンや、リアバンパー、そしてエキゾーストフィニッシャーを淡い金色「ウォームチタニウム」で差し色するなど、エクステリアにクールでスポーティな加飾を施した。
インテリアに目を移しても、ウォームチタニウム色のインサートやステッチがあしらわれるほか、カーボン調のダッシュボードやドアトリムのインサート、アルミ製ペダルなどの装備によって、ちょっとクールビューティな雰囲気に仕立てている。
またエンジニアードでは先進運転支援装備が充実したほか、駐車時に周囲の状況を俯瞰映像から確認できる360度カメラを標準装備。さらに、低音域を再生する4つのウーファー、高音域を再生する4つのトゥイーターにサブウーファーのフレッシュエアスピーカーで構成される、BOSEサウンドシステムを装備したとの由である。
そして肝心のパワートレインは、従来型E-TECHファミリーと共通。1.6Lの4気筒NAエンジンにくわえて、駆動用のメインモーターと「HSG(ハイボルテージスターター&ジェネレーター)」からなる2つのモーターを、電子制御式ドグクラッチ+変速機を介したルノー独自のシステムで、日産の2代目「ジューク・ハイブリッド(海外市場専売モデル)」にもコンバートされている。
すでに高い評価を得ているダイレクトかつスムーズな乗り味と、国内に正規導入された輸入車では最上位となるWLTCモード燃費25.2km/Lという低燃費はこれまでのルーテシアE-TECHと変わらないとのこと。しかしながら、国内デビューから1年の時を経たこの画期的システムが、いかなる熟成ぶりを見せているのか……? という好奇心も秘めつつ、テストドライブに臨むことになったのだ。